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四十肩・五十肩の治療

40歳前後から50代を中心に起きやすい肩関節の痛みのことを、四十肩・五十肩といいます。

はっきりとした原因は不明なので、ご本人も最初の頃は気付かれないこともあります。

特徴は、徐々に痛みが強くなること。
なので、最初のうちは「あれ?」という程度で、
「そのうちに治るだろう」くらいに思っていたのが、だんだんと痛みが強くなってきて、
・高いところのものが取れない
・扉(引き戸)を開けるのに苦労する
・車の運転のときにギアを入れるときに痛む
・上着に袖を通せない
といった具合になっていきます。

また、冷えると痛みが強くなりやすく、夜間、就寝時や
朝、起きて動き始めるときに痛くなったり、
ときには、腕や肘までダルさや痛みが出てくることもあります。


さて、この四十肩・五十肩の治療について。

「肩が痛い」からと、肩だけで治療しようとしても、なかなか痛みが引くものではありません。

当院の治療では、四十肩・五十肩では多くの場合、まず最初に足首の周囲に鍼を当てます。
鍼は、刺しません。
皮膚面に乗せます。
そっと当てます。
触れるだけです。
なので、何も感じません。

その状態のままで、数秒から1-2分、脈の状態が変わるまで待ちます。

「痛いのは足じゃなくて肩なんですけど...」と言われる患者さんもいらっしゃいますが、
数分後には、痛み方が少しずつ変わってくるのを実感してくださいます。


また、一口に「肩」といっても、最も痛みの強い部分には傾向があります。

とくに、肩の「前」が痛いという場合。
腕を後ろにやろうとすると前が突っ張ってしまい、手を後ろに回せません。
女性の髪を結う動作がやりにくくなってきます。

このケースでは、足首、内くるぶしのやや後ろのツボに鍼を当てます。
体全体のバランスの歪みを整えます。
「上の前」の痛みを「下の後ろ」で調整していくのです。

東洋医学的には「腎」との関わりが深く、秋から冬にかけて多い痛み方です。


次に多いのは、肩の「後ろ」が痛い場合。
手を後ろに持っていこうとすると、肩の後ろがつっかえて後ろへ行きにくく、
帯を結ぶ動作、ズボンを上げる動作などがやりにくくなってきます。

足首、内くるびしのやや前のツボで治療します。
「上の後ろ」は「下の前」で整えます。

「肝」との関わりが深く、春になると増えてくるのが特徴です。


このように体全体を整えながら、
「腎」「肝」の治療もしていくことが治療の本質となるのです。

本質のないまま肩だけに治療をして、
治療後はよくなったように感じていても、数日で元通りということにもなりかねないのです。


とくに四十肩・五十肩では、
疲労が蓄積して体が消耗していたり、
年齢的な要因も重なって出てくることが多いので、
継続して治療を重ねていく必要があります。

最初の頃に、ご本人も気付かれないうちに進んでいることもあり、
きちんと整えておく必要があるのです。


慢性的な痛みに悩んでおられる方や、何度も繰り返し出てくるというような方に、
どうぞ良き治療とのご縁がありますように。


ありがとうございます。

 

 

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