スポーツと食についての相談を受けました。
一般的(なはず)だけど、実は意外に知られていないことのようなので、
ここにも記しておきます。
スポーツ選手、アスリートのコンディショニングにとって、
本番でピークの力を発揮するためには、やはり食とのかかわりが出てきます。
その代表的なものに、
カーボローディングといって、炭水化物を積極的に摂りこむことがあります。
クロスカントリー、マラソン、トライアスロン、あとは自転車のロードレースなどの
エンデューロ(耐久)系競技のアスリートがとくに大会前に行うものです。
試合時間が長いテニスやバレーボール、あとボクシングなどでも同じで、
試合直前はおにぎりという人も多いですね。
このカーボローディング、一時期流行ったスタイルは、
試合の1週間前になると、エネルギー源となる等質・炭水化物を控えて、
パワーの源であるタンパク質をせっせと摂るというものでした。
そして、体内の糖質を徹底的に枯渇させておいて、
試合の2日前くらいからは一気に炭水化物・糖質を摂る。
これで体内にエネルギー源の糖質が通常以上に体内に蓄えられると考えられたんですね。
ところが、このスタイルは最近ではほとんど行われなくなっています。
疲労が残りやすく、また肉離れなどの故障が続いたからなのです。
なので、「古典的スタイル」と呼ばれているようです。
最近の主流は、普通に食事をしておいて、
試合の数日前から炭水化物ばかりの食事にするというもの。
ごはん、麺、パンが主体となります。
その間のメニューの例としては「かやくごはん・うどんセット」みたいなものですね。
そして試合当日は、おにぎり、と。
「古典的」に対して「改良型」と呼ばれるのだとか。
でも、これって、本当に改良型?
むしろ、こちらのほうが古典に戻ったような気がします。
どちらが「古典」か「改良」か、ようわからん。
いっそ、「不自然派」から「自然派」に戻っただけとでも言えばいいものを。
ヒトという動物の特性、日本人の体質というものを考えたときに、
炭水化物を控えるなんてことは、不自然なわけです。
現に、それで故障者が続出して廃れていった方法なんですから。
肉食の欧米人でも、長いこと現役を続けているアスリートなどは、
「普段からパスタとサラダ。それ以外はほとんど食べない」って人が多いのです。
わたしたちは、「がんばって、精つけときや~」なんて言いますが、
その「精」は、「米」と「青物」と書きます。
つまり、米と野菜が元気を養うということですね。
先人の知恵に感謝します。