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冬至と南瓜

暦では「冬至」。

一年中で最も日中が短く夜間の長い時季になります。

また、今年は「冬至」と「新月」が同じ日に重なっています。
19年ぶりとか。


東洋医学的にいえば、
冬至とは日の時間が短い日で、陰陽でいうところの最も陰性な日です。

また、新月は、一ヶ月のうちで最も暗い陰性な日。

食養生では、陰性な環境のもとでは陽性な作物が育つと考えられます。


この季節の慣用句として「冬至南瓜」があります。

冬至の頃のカボチャには秘めた力があるので、
この頃にいただくと体調を崩さないと言われてきたのです。

いまほど保存技術や流通網の発達してなかった時代、
冬になれば秋に収穫した野菜も終わって、食べられるものが限られてくるなか、
カボチャは保存できる上に栄養面にも優れているということがあったのでしょう。

現代栄養学の観点からも、
カボチャにはカロテンやビタミンB・C・E、食物繊維が豊富で、
生野菜の少なくなる季節の貴重なビタミン源。

カロテンは体内でビタミンAに変わり、
ビタミンC・Eと合わさって抗酸化作用により体の細胞の老化を防ぎます。

こうして風邪など季節の病に対する抵抗力を強めてくれるのです。

冬を健康に乗り切ることができれば、続く春から暑い夏までも元気に過ごしていくことができるでしょう。



話を陰陽の解釈に戻します。


秋に収穫したカボチャを、
天地をひっくり返して保存しておくことで求心力・収縮力という陽性な力が働き、
実が締まり不要な水分が減っていきます。

陰陽論を知らずとも
「カボチャは冬至を過ぎて年末年始になると、ベチャッとしてくるのよね」と、
経験上このことをよく知る人もいるかも知れませんね。

まさに生活術ならでは。

健康のため養生のためという意味では、
寒い陰性な季節だからこそ、より陽性で体を温めるものを摂ると良いですね。


根っこへ根っこへと伸びていく求心性の力が働く根菜類が、
冬に旬を迎えるのもこのためなのです。

自然には無駄なものはないのですね。


季節に感謝。


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