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七草粥と薬草


今年一年間の健康を祈る風習として「七草粥」がありますね。

お正月の食べ過ぎに、
休み中の運動不足で鈍ってしまった体調を整えるため、
新しく育った薬草の若菜を入れたおかゆをいただくのですね。


また、かつては年を越した古い菜を食べることを良しとしなかったことから、
新年のうちは菜っ葉ものを食べないようにしていて、
7日に七草で食べるようになったとも言われています。


七草は、古歌に
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」
と詠まれたという七種類の薬草のことです。


どの薬草も、ビタミン、カロテン、カルシウムや鉄分など
栄養バランスに優れていて、体調を整える効果のある理想的なものです。


7つ目の「すずしろ」は、大根のこと。

古くから「大根どきの医者いらず」と、
大根を収穫する時期になればみんなが健康になると言われていました。


江戸時代の書物『本朝食鑑』には、
「大根には能く穀を消し、痰を除き、吐血、鼻血を止め、麺類の毒を制し、魚肉の毒、酒毒、豆腐の毒を制す」
とあります。


デンプン分解酵素のジアスターゼ、タンパク分解酵素のステアーゼをはじめ、
焦げた魚の発がん性を抑えるオキシターゼや、カタラーゼなどの酵素類、
ビタミンCを多く含んでいるのです。


お刺身のツマであったり、天ぷらや餅、そばの薬味などにも大根おろしを一緒にいただいてきました。
現代のように栄養学や分析学のなかった時代にすでに、経験的に知っていたということですね。


先人の知恵に、感謝。



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