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梅干の七徳


夏が近づくと、
水分の摂り方が話題になります。

スポーツドリンクについては、
糖分が多すぎることを理由に
できれば控えるほうがいいでしょう。

代わりに、梅酢を水割りにしたものがおすすめてです。



梅酢とは、梅干を漬ける工程のなかで、
梅を塩漬けにした時に上がってくる水分のこと。

クエン酸が多く含まれていて
疲労回復が期待できることに加え、
発汗で失われた塩分・ミネラルの補給もできます。



ついでに、梅干も、
できれば自宅で漬けることをすすめています。

まさに、いまが漬けごろ。
青梅が黄色くなってきたものが出回りつつありますね。




青梅を優しく手洗いしてから丁寧に水分を拭き取り、
漬け樽にきれいに並べるように梅と塩を交互に重ねていきます。

このときの塩は、青梅の重さに対して18~20%。

減塩にしたがる傾向にありますが、
16%以下になるとカビが発生してしまうことがあるので、
このくらいは必要でしょう。



漬けこんだら、青梅と同じ重さの重石をし、
1週間から10日ほどすると水分が上がってきます。
これが梅酢(白梅酢)です。

その後に上から、
赤紫蘇の葉を塩もみした「もみしそ」を乗せて
梅雨明けまで冷暗所で保存しておきます。

梅雨が明ければ
天気の良い日に「土用干し」を3日間ほどすると、
梅干の完成です。

そこからさらに10日間ほど経つと
塩気が馴染んで食べ頃となります。


この後に残った梅酢(赤梅酢)には殺菌効果もあるので、
冬場にうがいに使えば風邪の予防にもなります。


このように自宅で漬ければ、
梅干だけでなく梅酢もできますし、
添加物などの心配をすることもありません。



江戸時代の本草学書『飲膳摘要《いんぜんてきよう》』には
梅干の七徳」と記されていれているものがあります。

一、 毒消しに功あり。うどん屋は必ず梅干を添えて出す。

二、 防腐に功あり。夏は飯櫃《めしびつ》に梅干一個を入れておけば腐らず。

三、 病気を避けるに功あり。旅館では必ず朝食に梅干を添えるを常とす。

四、 その味かえず。

五、 息づかいに功あり。走る際、梅干し口に含めば息切れせず。

六、 頭痛を医するに功あり。婦人頭痛するごとにこめかみに貼るを常とす。

七、 梅干しよりなる梅酢は流行病に功あり。



いかがでしょうか。

現代にも通じる効能ばかりですね。


私の体験としては、
十数年前に富士登山した際、
八合目あたりで高山病を疑うようなひどい頭痛で横になられていた人を見かけ、
梅干を差し上げました。

その後に追いついて来られて
「先ほどは...」とお礼の言葉をいただいたことがあります。

なまじっか下手な頭痛薬よりも著効があるのです。


この体験があるので、
現在では治療のなかで、
不登校のお子さんや、体がだるい、無気力、うつ症状の患者さんなどにも、
伝統製法の減塩ではない梅干をすすめているのです。


それでもどうしても塩分が気になるというのであれば、
半粒ずついただくなど、
一度の量を加減してみるとよいでしょう。



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