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いも、たこ、なんきん


食欲の秋、読書の秋、
いろいろと言いますが、今も昔も変わらないようです。

「とかく女の好むもの、芝居、浄瑠璃、芋蛸南瓜」

井原西鶴が江戸時代に著した浮世草子の一節にあります。


「冬至南瓜、中風のまじない」
ともまた、古くから言われています。

冬至の日に、南瓜をいただくことで免疫力が上がり、
風邪をひきにくくなるだけでなく、
中風(現代でいう脳血管障害)などの病気も、
予防できると言われてきました。


さて、カボチャといえば、
秋に収穫のシーズンを迎えるのですが、
冬にかけてが食べ頃になります。

天地返し(上下を逆さま)にしておけば
長期間の保存ができます。

冬至という一年中で最も昼間の時間の短くなっていく日までは、
南瓜の実が締まって水分が抜けていき甘みが増すと考えられてきました。


実際に年末を過ぎてからの南瓜では
「同じ水分量で炊いてもべチャッと柔らかくなり過ぎるのよ」
と患者さんから教えられたことがあります。

さすがに主婦を長年やっておられると
こういうことを経験的に知っているようです。


冬場は緑黄色野菜の収穫しにくいシーズン。

冷蔵保存などの技術のなかった時代においては、
南瓜は長期間の保存のできて、
栄養価が高い野菜として重宝されてきたのです。

水分が抜け、甘みが増し栄養分も濃縮されるとなると
尚更なのでしょう。


現代の栄養学的には、
南瓜はベータカロチンが豊富で活性酸素を除去し、
病気の予防や老化の防止に役立つ食材です。

また、南瓜は甘みの割にカロリーが低く、
糖尿病の方におすすめです。

食養料理としては、
昆布と小豆、南瓜を炊き合わせた
「小豆かぼちゃ」が糖尿病に効果があるとして知られています。



農産技術の進歩によって
季節を問わずいろんなものが食べられるようになりました。

一見すると私たちの食生活は豊かになったように思えます。

その一方で不自然な環境で育った作物では
農薬や化学肥料を多用しているものもあるなど、
私たちの健康を損ない生命力を低下させてしまう原因にもなりえるのです。


「世界は分けてもわからない」と言われます。

顕微鏡をのぞいてみても
生命の本質は見えてこないということがはっきりとしてきました。

分析や知識偏重に行き詰まりの出てきたなかで、
季節感を楽しむということに本質を見出せないでしょうか。


季節ごとの旬の作物をいただくことで、
自然のリズムと身体とを調和させていき、
健康に暮らしていきたいものですね。



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