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便利さの積み重ね


いまの世の中、
普通に生活していたら病気になりますよ。



日々の鍼療室でも、
また講座のなかでもよくお伝えすることです。


便利な世の中になりました。
おかげで自身が動く必要がこれまで以上になくなっています。


インターネットの普及により、
ほとんどのものを通販で購入して自宅に届けてもらえるようになりました。

このことで外出する必要がなくなりました。

さらに、スマートフォンが進歩したことで、
エアコンやテレビのリモコンとしても使えるようになり、
屋内にいても座ったままであらゆることができるようになったので、
もはや立ち上がる必要すらなくなったのです。


自然という大きな視点から見てみると、
動物の一種である人間が動かなくなるというのは不自然なことです。


これだけいろんなことが便利になると、
自宅で料理をする必要もなくなります。

料理のことを「ブーム」だとか「趣味」だとか言われますが、
これはすでに料理が日常的にするものではなくなったことを物語っています。


歴史的に見ると、
地球上では人間だけが
「火」を扱って料理をすることで
生物としての進化を遂げてきました。

ところが近年になって、
料理という「火」を扱うことがなくなってきたわけです。

生活習慣病をはじめ現代病といわれる病気のほとんどに、
体質的な「冷え」がベースにあります。
手足が冷たい、
体が冷える、
やがては浮腫みが出る、
そして肥満になる。


これらは陰陽論から言えば
すべて〈陰性〉に分類されます。

動くという〈陽性〉な行為から離れ、
火という〈陽性〉な要素から離れていくことで、
体が〈陰性〉に傾いていくというのは、
陰陽で考えれば納得のいくことです。


便利さのおかげで「動かない」という選択をしていくうちに、
病人という「動けない」状態になっていく。


世の中に合わせていくことで自身は陰性化していくのです。


環境に適応していくことがひとつの進化と考えれば、
「普通に生活していたら病気になる」
というのも当然なことかも知れません。


いまの世の中でクスリや医療に頼らずに
自らの自然治癒力を高めて病気を予防していくためには、
当たり前のことが当たり前にできていることが大切です。

とくに、料理という「温かい火」とともにいることで、
身体の温かさだけでなく、
心の温かさも失わずに過ごしていけるのではないでしょうか。


面倒くさいと思うようなことでも、
ちょっと動いてやってみる。

あえて不便な方を選択してみる。

お料理ではもう一手間かけてみる。


そうした「ちょっと」の積み重ねを忘れずにいたいものですね。

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