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野菜の恵みの最近のブログ記事


今年は例年よりも早くに、
お花見のシーズンが終わってしまいましたね。


和菓子や和食の世界では
桜の花を塩漬けにしたものを
桜餅やお菓子に混ぜてみたり、
料理の彩りとしてお皿にトッピングしたりと、
季節感を楽しむことも日本人の知恵といえるでしょう。


料理とは「理(り)」を「料(はか)る」
と書くように、

道理にかなう方法のことです。


特定の季節にしか収穫できないものを保存するために、
「塩」の力で腐敗を防ぐ。

顕微鏡などなく微生物の存在さえ知らなかった時代、
経験によって積み上げられてきた知恵には驚かされます。


日本伝統の塩漬けといえば、
漬物。


特にぬか漬けは、
米ぬかからビタミンB群が野菜に移るため
栄養価が高く、
発酵を支えている微生物が腸内環境も整えてくれます。

ところが、近年の減塩志向の流れの中で、
塩分を減らす代わりに
保存料や食品添加物まみれの調味液に浸けた
「漬け物」ならぬ「浸け物」が増えています。

これでは塩分の摂り過ぎ以上に
添加物の影響が危惧されます。

これらの添加物について心配なのは、
これまでに体内に蓄積してきた経験が乏しく、
また複数の化学物質が使われていることが
体にどう作用するか、
未知数なことです。


塩分の過剰摂取で心配なのは
体内の塩化ナトリウムの摂り過ぎですが、
「塩化ナトリウム」と「塩」は、
イコールではありません。


本来、「塩」は海水を汲み上げて作られるため
カリウム等のミネラル分を含んでおり、
このカリウムが塩化ナトリウムの排出を助けるのです。

また、塩分が増えると喉が渇き、
体は自然と水分を摂ってバランスを取ろうとします。


ミネラル分を含む自然塩を使うように心がけ、
体の声に耳を傾けていれば、
実は、塩分の摂り過ぎはさほど心配しなくて良いのです。


もっとも、汗をかいて塩分を排出する機会が少なくなったといった
生活の変化には気を付けなければいけませんが。


春は「発散」、

出す季節。


この季節、筍の天ぷらを食べて
顔に吹出物が出た経験のある人もいるかも知れません。


これは「勝手に出る」というより
「体が毒素を出す」反応で、
自然の力を借りたデトックスと考えればよいでしょう。

ただし、出す勢いが強すぎることはあるので、
揚げ物より煮物などの料理法でいただくのもいいでしょう。


菜の花、わらび、ぜんまい、ふきなど
春が旬の山菜をはじめ、
これからの季節の緑黄色野菜も、
きちんと料理していただくことで、
体内の毒素を排出する働きが期待できます。


漬物や味噌などの発酵食品と併せていただいて、
腸の中から整えていくようにするといいですね。


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食の問題や健康法に限ったことではありませんが、
他の誰かにとって良かったことが
自分にとっても良いとは限らないものです。


1990年代のことですが、
「赤ワインパラドックス(または、フレンチパラドックス)」
というものがありました。


ワインが成人病(生活習慣病)の予防になるという認識が拡がり、
一時期、ワインの消費が一気に増えました。

フランス人はチーズやバターなどの乳製品、
味の濃いものを日常的に食べる習慣にあるのにもかかわらず、
他国の人々と比較して、
悪玉コレステロール値が低く、
心疾患・脳卒中にかかる人口が少なかったことに由来しています。


この頃、日本では、
血液をサラサラにして動脈硬化・高血圧を予防するといわれ、
玉ねぎを赤ワインに浸けることが流行りました。

もともとはアルコールに弱かった人がワインを口にしたり、
食生活の欧米化がさらに進み、
生活習慣病が増加することとなりました。 


最近になって、疾患を引き起こすのは
マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸であることがわかり、
ワインが心疾患を予防する説は消えていきました。


さて、血液サラサラの味方、玉ねぎ。

実は、皮の部分に多く含まれる
ポリフェノールの一種である
ケルセチンの抗酸化作用によるもののようです。

便秘や浮腫みを解消てくれて、
デトックス作用が働き、悪玉コレステロールを下げたり、
アトピーやアレルギーにも効果のあることがわかってきました。

ケルセチンの抗酸化作用は熱に強いので、
玉ねぎの皮を煮出した汁をいただくことで効果が期待できます。

玉ねぎの皮をヒタヒタの水で浸し、
10分ほど煮出せばいいのです。

苦みやクセが気になるようであれば、
その煮出し汁を味噌汁に使うなどしてもいいでしょう。


食養生では「一物全体」といって、
できるだけ自然界に存在するかたちのまま、
皮も捨てずに全体として活用したものをいただく教えがあります。


捨てられていた部分を活用するという意味では、
玉ねぎの皮の煮出し汁を
お茶としていただくことが広まってきたのは喜ぶことですね。


陰陽の考えからいえば、
玉ねぎは春と秋に旬を迎え、
地面に沿って成長することから"中庸"と考えられます。


生のままで辛味をいただいたり、
加熱して甘味を味わうなど、
どんな料理にも活かせるのも納得です。


調理の際には、
繊維を壊さないように包丁を優しく入れながら、
頭と根(上と下)、内側と外側が、
どの一切れにも入るように回し切りしていくことで、
陰陽の調和を一切れごとにも反映させるのがポイントです。


イギリスでは
「一日一個の玉ねぎは医者を遠ざける」
とのことわざがあり、

欧米の家庭では台所や寝室などに玉ねぎをぶら下げて
「疫病除けのお守り」とされています。

玉ねぎの香気には殺菌作用があることは、
フランスの医学者パスツールによって確かめられました。


また、鎮静作用もあり、
玉ねぎを枕元に置いておくとよく眠れることも広く知られています。


自分にとって合うか合わないか、
迷信と片付けずにやってみること、
合わないと思えば止めること。

鵜呑みにせずに体験して
考えてみることもいいかも知れませんね。



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和食のなかでも、
とくに精進料理には欠かせない食材といえば、

椎茸。


うまみ成分が多くダシにも活用されるので、
キノコ類のなかでも人気があります。

椎茸は、英語でも
 shiitake mushroom
とそのまま表記されるらしい。


日本で干し椎茸からダシをとって口にするようになったのは、
鎌倉時代のこと。

道元禅師が、料理を含め日常の行いそれ自体がすでに仏道の実践であるという本質を記したとされる
『典坐教訓』にその記述があります。
 

精進料理の「精」とは「米」に「青」と書くように、
穀物菜食を意味します。
 

仏教の戒律で殺生を禁忌とし、
動物性を避けた植物性のみの食事のなかで、
禅宗の精進料理は菜食でも味がしっかりとしていると広まっていったようです。
 

それを支えたのが干しシイタケのダシともいわれています。

香り成分のレンチオニン、
うまみ成分としてのグルタミン酸とグアニル酸が豊富で、
とくにグアニル酸は乾燥することで増加します。

 
椎茸のうまみ成分や風味は熱には弱いため、
ダシを取る際には
冷水に5時間以上浸けておくことが望ましいとされます。

おもな椎茸の種類としては、
暖かい時期に収穫する「香信(こうしん)」、
冬から春先にかけての寒い時季に収穫する「冬菇(どんこ)」が代表的。

ちらし寿司や炒め物の具などには香信が、
ダシや煮込み料理には冬菇が重宝されます。


寒い時季にゆっくりと育ち、
傘が開く前に収穫された肉厚の冬菇椎茸を
天日乾燥させたものではビタミンDが豊富で理想的とされます。
 

椎茸に含まれるビタミンDは、
カルシウムの骨への沈着を促進して
骨粗鬆症を防ぐ大切な栄養成分。

機械乾燥させた椎茸も多く出回っているのですが、
天日に1時間程度当てるだけで
ビタミンDの含有量が約10倍になることがわかっています。

うまみも栄養も増すのですから、
使う前に一手間かけたいものですね。

椎茸を裏返して
日光に当てるほうがより効果があるようです。


食養生では椎茸スープ。

椎茸に含まれるエリタデニンという成分に、
血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあることが知られています。

食べ過ぎた後の風邪ひきからくる高熱や、
高血圧や動脈硬化などに効果があります。

肉類や油物の過食の後に蕁麻疹が出た場合などは
緩和されるのが早いです。


スープは、干し椎茸2枚を水300ccに入れ、
水の量が3分の2になるくらいまで煮詰めたものに、
醤油小さじ1杯程度の好みの濃さの味付けをして
そのまま飲用します。


とくに子どもの高熱には食べ過ぎが関係することも多く、
お腹と手を触ってみて冷えがなければ有効でしょう。

ただし、椎茸は食養生の観点では陰性な食材と考えているので、
冷え体質の人が続けて摂ると
ますます体が冷えてしまいますので注意が必要です。

これはキノコ類全般に言えることなので、
サプリメントなどでも
茸類を加工したものには同様の解釈をしておくといいでしょう。




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