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2012年3月アーカイブ

来院のきっかけ


圭鍼灸院には、さまざまな症状の患者さまが来院されます。

なかには「よく『鍼』でって思ったね」という症状の方もいらっしゃいます。


ほとんどの方のきっかけは、
「人から聞いて」という紹介なのですが、

多く(たぶん過半数)の方にとって、
もう一つ、前の段階の「きっかけ」があるようです。


心のどこかで、

「クスリで悪い部分を抑える対症療法の西洋医学より、
 なぜ効くのかは、よく分からないけど、
 東洋医学の方が、根本的に治す本物のイメージがあり、
 少なくとも今の私には合っていそう」

という気がしたからと言われます。

病院での投薬への「違和感」みたいなものでしょうか。


ご縁があって、来院されて、
お話を伺い、
鍼治療を受けられる意志を確認し、
実際に治療に入っていきます。


一度、脈を診て、
お腹を触り、
こちらなりに治っていくための筋道を立てていき、
鍼を取り出し、
手か足の経穴(ツボ)に鍼を当てたままで、
脈の変化を診ます。

多くの患者さまは「腹鳴」が起こります。

お腹が「グーッ」と鳴るのです。


「皆さん、鳴りますよ」と言うと、安心してくださいます。

そして「体の中で、何かが変わろうとするのを実感する」と言われます。


腰痛の人も、
膝痛の人も、
股関節症の人も
四十肩の人も、
ムチウチ後遺症の人も、
寝違いの人も、

花粉症の人も、
アトピーの人も、
喘息の人も、
鼻炎の人も、

自律神経の人も、
頭痛・生理痛の人も
過敏性腸症候群の人も、
睡眠障害(不眠)の人も、
自己免疫疾患の人も、
難病指定を受けているような人でも、

皆さん、同じです。


「痛い」「辛い」という症状は、体が傾いてきたことのサイン。

投薬への「違和感」は、心と体が本物を求めるサイン。

「腹鳴」は、体が変わろうとするサイン。


あとは、ご本人がそれを信じてくださることですね。


どうぞ、サインに素直に耳を傾けてみてください。

 

もしも、体に違和感を感じている人がいらっしゃいましたら、
悩んでいる間にお電話くださいね。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございます。

 

 


 

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やっと本格的に春らしくなりましたね。

暖かくなる勢いがあり、梅と桜の花の咲く時期が近いです。

こんなときは、一気に出てきます。

花粉症。


「花粉症も治るのでしょうか?」
そんなお電話が続きます。

よく尋ねられるのは、
「やっぱり、鼻とか目の周りに鍼刺すんですか?」と。

何かで観られたことがあるんでしょうかね...。


「いえ、うちでは花粉症で顔に鍼をすることはありませんよ。」
そう答えると、安心してくださるようです。


花粉症の治療では、
肘や膝の周辺と、首の後ろ辺りのツボに治療していきます。


急に暖かくなることで、花粉の飛散が増えるのですが、
実は、私たちの体にも、ある「変化」が起きます。

例えば、皆さんはお風呂に入られると思います。

入る前には、ガスのスイッチを入れて、温めますね?

このとき、湯船の中ではどのようなことが起こるでしょうか?


少し時間が経って、「そろそろ入り頃かな」と手を入れてみるかも知れません。
(いまでは、自動で止まってくれるものが増えましたが。)

さて、手を入れてみたとき、
「熱っ!」と、思ってみても、
湯船全体の温度が上がっているかどうかは分からないものです。

だから、湯船のお湯を「混ぜます」。

経験的に、熱いお湯が上の方にあることを知っているからです。


体も同じなんです。


外気温が急に暖かくなったことで、
体内の水分や血液が温まれば、上に上ります。

いわゆる、「のぼせ」です。

そのままの状態が続くことで、過剰な水分が、
鼻水や涙として出てこようとするのです。


春の花粉症が、首から上の症状が主になるのはこういう理があるのです。

 

そして、治療でも、「混ぜます」。

といっても、体を揺さぶるわけではありませんよ。

体の内側の血液や水分を巡らせるのです。

 

おもに使う経穴(ツボ)は、肘・膝の周囲になります。

この部位の経穴を総称して、「合水穴」と言います。

東洋医学では、この「合水穴」は「逆氣」を治すと考えられています。
「逆氣」とは、氣が逆さに流れること、つまり「のぼせ」状態のことです。

肘・膝から内側を巡らせようとするのです。


それともう一つ。

過剰な水分が、鼻水・涙となって出てこようとするということで、
体の中に、過剰な水分があることを意味します。

花粉の飛散量があまり多くない日に症状がひどくなったり、
前の日にアルコールを飲んだり、食べ過ぎたりした翌日に症状が出るのはこのためです。


治療を受けられる際には、これらのことも合わせて注意してもらうと、
より効果が出やすくなります。


花粉症の治療は、もうすでにシーズンが始まってきていますので、
まずは、1週間から10日以内に、2-3回続けて治療することで、
眼の痒み、鼻水、鼻づまりなどの症状の改善が見られます。

軽症の人では、初回の治療の途中から
「あっ、鼻が通った!」
と言われる方もいらっしゃいます。

症状の改善が見られた後も、
週に1-2回のペースでメンテナンスをしていくことで、
さらに治療効果が出てきて、持続できるようになってきます。
経過を見ながら、少しずつ、治療の間隔を空けていけるようになります。


花粉症のシーズンが終わったあとも、
できれば、月に1回程度のメンテナンスのために治療を継続していくことで、
翌年以降、症状が出ないか、出ても軽く済むようになります。

一旦、治療の間隔が空いてしまっても、
秋口か本格的に寒くなる前には治療を再開することで、かなり軽くなります。


体質が変わっていけば、次のシーズンからはさらに軽くなっていくものです。


なかには、もともと腰痛で治療し、そのまま再発予防に通っているうちに
「周りの人たちはグシュグシュ言い出したけど、花粉症、始まったの?」
なんて言われる方もいらっしゃいます。

体の内側に働きかける治療であるが故の、嬉しい「副作用」ですね。


すでに症状の出ている方は、治療を始めるのは早いに越したことはありません。

悩んでいる間にお電話くださいね。

TEL:078-934-0189(おーい、はりきゅう)まで。
夜間も留守番電話にてご予約を受け付けています。
お名前、お電話番号、ご希望の日時(○月○日、午前・午後、早め・遅め など)を
残しておいていただければ、翌日には折り返しご連絡いたします。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 

 

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膝関節の痛みで多い「変形性膝関節症」は、
関節周囲の支える筋肉が弱ってくること、
関節の軟骨が年齢的な原因で変化してしまったりすることと、
立つ・歩くなどでの荷重がかかることなどが原因で起こってくると考えられています。

最初のうちは、「椅子から立ち上がるときにちょっと痛い」という程度だったのが、
気が付けばどんどん痛くなり、「正座ができない」ほどになってしまってから来院されることが多いです。

正月前(年末)、お盆前など正座をする機会が増えてくる時期に来院される方が増える傾向にあります。

とくに「ぶつけた」「ひねった」などの原因に思い当たることはなく、
「しばらく立ち話をしていて歩き始めたとき」や「椅子に座っていて立ち上がるとき」などに痛みを感じるのが初期です。
そのままにしていても一向に楽にならないばかりか、酷くなってきたり、
それが続くと、関節部が変形することもあることから「変形性」と診断されます。

特徴としては、
・動き始めが痛い
・温めると楽な気がする
など。

就寝前に、横になると痛むこともあります。

痛みの部位としては、多くは膝関節の内側です。

この部位は、東洋医学的には女性ホルモンとの関わりのある経絡が通っていて、
とくに女性の場合は閉経後、ここを支える力が弱くなってきやすいのです。


膝関節症の治療では、手首の上の前腕のツボを多くは使います。
ここに鍼を当てて、脈の変化を待ちます。
体全体のバランスとしては「下の内」を「上の外」で整えます。
治療後は、ここに「金の粒」を貼り、数日間は弱い刺激を送り続けるようにして終えます。

また、膝の治療については、お灸をよく用います。
状態として「温めると楽」なことから、集中的に温めて、血行の改善をはかります。
このときは「程よい温かさ」であることが大切なので、
お灸も「温かい」から「熱い」に変わる前に取り去ります。

心地良い治療が大事なのです。

また、合わせて、太腿から膝の内側にかけての筋肉のトレーニングについてもお伝えしています。
ここは意識して行なわないと筋肉はつきにくく、弱っていきやすい部位なのです。

「膝のため」にと、プールで歩くトレーニングをされる方もいらっしゃいますが、
それが良いとは一概には言えません。
東洋医学的には、女性ホルモンの影響でもあるので、
水の中にいることでの「冷え」から、余計に体調を崩す場合もあるのです。
なので、無理は禁物です。

正座をする時期が来る前に、
早めに治療することで、早く楽になっていただけたらと思います。

なんとなく我慢している時間が長いほど、
治療にも継続していく必要が出てきてしまうものなのです。


慢性的な痛みに悩んでおられる方に、
どうぞ良き治療とのご縁がありますように。


ありがとうございます。

 

 


 

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40歳前後から50代を中心に起きやすい肩関節の痛みのことを、四十肩・五十肩といいます。

はっきりとした原因は不明なので、ご本人も最初の頃は気付かれないこともあります。

特徴は、徐々に痛みが強くなること。
なので、最初のうちは「あれ?」という程度で、
「そのうちに治るだろう」くらいに思っていたのが、だんだんと痛みが強くなってきて、
・高いところのものが取れない
・扉(引き戸)を開けるのに苦労する
・車の運転のときにギアを入れるときに痛む
・上着に袖を通せない
といった具合になっていきます。

また、冷えると痛みが強くなりやすく、夜間、就寝時や
朝、起きて動き始めるときに痛くなったり、
ときには、腕や肘までダルさや痛みが出てくることもあります。


さて、この四十肩・五十肩の治療について。

「肩が痛い」からと、肩だけで治療しようとしても、なかなか痛みが引くものではありません。

当院の治療では、四十肩・五十肩では多くの場合、まず最初に足首の周囲に鍼を当てます。
鍼は、刺しません。
皮膚面に乗せます。
そっと当てます。
触れるだけです。
なので、何も感じません。

その状態のままで、数秒から1-2分、脈の状態が変わるまで待ちます。

「痛いのは足じゃなくて肩なんですけど...」と言われる患者さんもいらっしゃいますが、
数分後には、痛み方が少しずつ変わってくるのを実感してくださいます。


また、一口に「肩」といっても、最も痛みの強い部分には傾向があります。

とくに、肩の「前」が痛いという場合。
腕を後ろにやろうとすると前が突っ張ってしまい、手を後ろに回せません。
女性の髪を結う動作がやりにくくなってきます。

このケースでは、足首、内くるぶしのやや後ろのツボに鍼を当てます。
体全体のバランスの歪みを整えます。
「上の前」の痛みを「下の後ろ」で調整していくのです。

東洋医学的には「腎」との関わりが深く、秋から冬にかけて多い痛み方です。


次に多いのは、肩の「後ろ」が痛い場合。
手を後ろに持っていこうとすると、肩の後ろがつっかえて後ろへ行きにくく、
帯を結ぶ動作、ズボンを上げる動作などがやりにくくなってきます。

足首、内くるびしのやや前のツボで治療します。
「上の後ろ」は「下の前」で整えます。

「肝」との関わりが深く、春になると増えてくるのが特徴です。


このように体全体を整えながら、
「腎」「肝」の治療もしていくことが治療の本質となるのです。

本質のないまま肩だけに治療をして、
治療後はよくなったように感じていても、数日で元通りということにもなりかねないのです。


とくに四十肩・五十肩では、
疲労が蓄積して体が消耗していたり、
年齢的な要因も重なって出てくることが多いので、
継続して治療を重ねていく必要があります。

最初の頃に、ご本人も気付かれないうちに進んでいることもあり、
きちんと整えておく必要があるのです。


慢性的な痛みに悩んでおられる方や、何度も繰り返し出てくるというような方に、
どうぞ良き治療とのご縁がありますように。


ありがとうございます。

 

 

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昼と夜の長さがほぼ同じになり「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、
これから夏至に向かって昼の時間が長くなっていき、いよいよ本格的に暖かくなってきます。

伸びやかな季節。

服装も軽めになってきます。
この季節は、締め付けるものを避けて、ゆったりとした格好で過ごしましょう。

自然を称えて、生物を慈しむ季節。

季節の恵みに感謝するときです。

新しい年度を迎え、気持ちをしっかりと持ちながら活動していく。
私たち自身も、内と外のバランスをしっかりと取っていくときなのですね。

ありがとうございます。

 

 

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春の暖かさを感じて、冬にこもっていた虫たちが外に出て動き出す頃。
一雨ごとに日差しが温かくなり、気温も上がってきます。

植物が伸び、動物が動くためには「伸びしろ」が必要です。
人間の細胞も緩んできますので、衣服は締め付けない、ゆったりとした緩やかなものを着るようにしましょう。

 

「啓」は「(穴を)開く」という意味があり、
「蟄」には「虫が土のなかに隠れている様子」の意味があります。
文字通り、冬眠から覚めて、こもっていた土に穴を開けて外へと出てくる時ですね。

もともと「春」は、
木の芽が張る、天気が晴れる、などの韻を踏んでいて、
天候に恵まれ、新しいものが生まれ、
伸びやかに希望に向かって動き始める季節なのです。

ゆとりを持って、気持ちも行動も「外」へと向けていくことですね。


 

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