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2015年1月アーカイブ

 


1月20日の日を「骨正月」と呼ぶ地方があるそうです。


お正月の祝い肴も骨と頭くらいしか残っていないほど、
あらかた食べつくしてしまっていて、
残ったこれらの部位を最後に焼いたり煮たりして食べ尽くしてしまうということです。

現代の栄養学の観点からは、
これらの残り物の部分にはカルシウムやコラーゲン、ミネラルが多く含まれていますから、
美容や長寿に役立つところ。

まさに「残りものに福」かも知れません。


また、この日は「二十日灸」といって、
お灸をするとよく効く日だとされています。


暦では「大寒」を迎え、
一年中で最も寒さの厳しい時季。

弱りかけた体にお灸をすえることで
芯から元気を取り戻そうということなのでしょう。


代表的なツボは、「足の三里」。

膝頭から下の外側、少しくぼんだところにあります。


松尾芭蕉の『奥の細道』にも
「傘の緒つけかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて......」と
記されていることで知られてる有名なツボですね。


ここは、胃腸を整えたり、自律神経にも効くツボであり、
このお灸は万病に効くといわれているのです。


ぜひ、お試しあれ!



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年初になると、1月7日に一年の健康と長寿を祈る風習として
「七草粥」が知られています。


新しく育った若菜をおかゆとしていただくことで、
お正月の食べ過ぎと運動不足で鈍った体調を整えるためのものですね。


かつては、年を越した古い菜を食べることは忌み嫌われていました。

旧年の邪気を持ち越すとでも考えられていたのでしょうかね。

ですので、元日から正月七日までは菜っ葉ものを食べないようにしていたようです。


七種類の薬草とは、

セリ・・・鉄分が多く、古来、貧血予防の薬草として用いられてきた。

ナズナ・・・ペンペン草として知られ、ビタミンB1、B2や、カロテン、カルシウムや鉄も含まれる。

ゴギョウ・・・母子草のこと。かつては草餅に用いられていたが、「母と子を臼と杵でつくのは縁起がよくない」としてヨモギが草餅に用いられるようになったとか。

ハコベラ・・・ハコベのこと。小鳥が好んでついばむ草で、タンパク質と鉄分が多く強心作用があるとされる。

ホトケノザ・・・コオニタビラコというキク科草、健胃・整腸作用で知られる。

スズナ・・・カブの葉。カロテンやビタミンC、B2が含まれる。

スズシロ・・・大根のこと。消化酵素ジアスターゼ、ビタミンCが多く、消化吸収を助ける。

このように栄養バランスに優れているものばかりです。

まさに体調を整える効果のある理想的なお粥ですね。


古くから「大根どきの医者いらず」とのことわざがあるように、
大根の収穫の時期になるとみんなが健康になると言われていました。

スズシロとして七草粥にも入っているのに納得です。


江戸時代の『本朝食艦』には、大根は「魚肉の毒、酒の毒、豆腐の毒をくだす」と記されています。

それだけ胃腸の状態を整え健康維持に役立つものは、
お正月の時期だけでなく積極的にいただきたいですね。


「厄払い」と聞くと、事故や災難を想像してしまいがちですが、
体調を壊すのも「厄」のうち。

先人の智恵を大事にしたいものです。


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