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2017年7月アーカイブ


夏も本番、
ビールの美味しい季節になりました。

外食の機会が増えるという人もいらっしゃるでしょう。


「陰陽の調和」といいますが、
どんなときでも
バランスを整えることを心がけておくことは大切。


陽性なものといえば
動物性のお肉のように
火にかけると硬くなるもの。

そんな陽性が過ぎると、
硬めたり、滞らせる働きがあるので、

これらを摂り過ぎると、
血栓や結石ができやすくなったり、
血管が硬くなって動脈硬化や
高血圧などになりやすくなったりすることは知られています。


こういったものをいただくときには、
香りが強くアクがあり
酵素を含む陰性なものを
薬味としてつけあわせることで
バランスをとって中和しやすくなるのです。


香りが強く
強壮作用の強い野菜の代表格は、
「五葷(ごくん)」と呼ばれる五つ。

ニラ・ニンニク・ラッキョウ・アサツキ・ネギのこと。



「葷酒山門に入るを許さず」と
酒とともにこれらの五つの野菜は
禅寺の山門内に持ち込むことを禁じられてたそうです。


なかでも、ニラは「陽起草」といわれて、
ときには一日に3センチも伸びるほど、
生長力と生命力が強いのです。

いわゆる「精」の強いものですね。


ニラは、漢方では「活血化瘀(かっけつかお)」といって、

瘀血を浄化して、
汚れた血液をサラサラにきれいにし、
血液循環をよくする働きがあるとされてきました。


現代の栄養学では、
ニラの独特の香味成分アリシンに
血栓を予防改善する効果があることがわかっています。


ギョーザ、ニラレバ炒めなど、
お肉との相性が良いわけです。


ニラは、歴史的に見ると、

『古事記』には「加美良(カミラ)」、

『万葉集』には「久々美良(ククミラ)」

の名で記載があり、
古くから栽培されていたようです。


古来、ラッキョウのことをオオミラ、
ニラをコミラと呼んでいて、
ラッキョウとは関係が深いようです。


ニラの葉は生薬では
「韮白(きゅうはく)」といって
強精、強壮作用に、

ニラの種子は「韮子(きゅうし)」といって
腎の衰えからくる腰痛、頻尿、泌尿器系疾患などに用いられます。


食材としてニラを食べることで、
疲労回復、虚弱体質の改善、
貧血、生理不順、生理痛などに効能があるとされてきたのです。


また、ニラには、
ほかにも特筆すべきものとして整腸作用があります。

古くから胃腸に効く野菜として親しまれ、
きざんで味噌汁に入れることで下痢気味の改善がみられたり、

下痢の症状が重いときには
ニラの煮汁を飲んでも著効があるのです。


日頃から常食しておけば、
腸内有用菌の繁殖を助けて腸内環境を整えるので、
代謝機能、免疫機能を高めて風邪の予防にもなるでしょう。


夏バテ予防に「精をつける」と言いますが、
「精」とは「米」に「青」と書きます。

穀物菜食が食事の基本にあってのことですね。


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これまでに、ご来院・治療を受けていただいたことのある方は
おわかりだと思いますが、
"脈診"をとても重視しています。
 

脈診とは、
患者さんの手首の橈骨動脈に触れることで、
拍動の強さや速さ、リズムなどを把握することで、
身体の状態を診察する方法のこと。

健康状態であったり、
疾病の進行度合いなどを、
脈に触れてみて、
その拍動の強さや早さ、
脈に触れた感じの硬さや太さ、
脈の位置の浮き沈みなどから把握しようとします。
 
 

人に出逢ったときに、
まずはその人の表情を見ますよね。
 

それと同じように、
脈の"表情"を診ているのです。
 

治療に入る前の脈診はもちろんですが、

治療・施術の最中にも、
ひっきりなしと言っていいくらいに、
手首の脈に触れさせていただいています。
 
 

これは、刻一刻と変化していく
お身体の状態を把握するため。
 

例えば、想像してみてください。
 

テレビドラマなどでの手術のシーン。

心拍数から呼吸から、
身体の状態をいち早く知らせるように
ありとあらゆる装置につながれています。
 

治療室にはそんな大そうな装置はありませんから、
治療の適否に関しては、

「痛い」とか

「気分悪くなってきた」とか

「心地いい」とか

患者さんの発する言葉に頼らざるを得ません。
 


それを、治療者の側から把握することが
脈診ということです。
 

脈診なしでの治療では、
患者さんの状態を把握できないので、
こちらがとても不安になります。
 
 

そんなわけで、
遠方から来院されていて、継続治療が困難な場合、
または遠方へ引っ越される場合など、
地元で治療院を探される場合には、
きちんと脈診をしてくれる治療院を探して、と、
お伝えするのです。
 

逆には、
以前に通っていた治療院の先生からそのように言われて、
これまで何年もかけて探してきて、
やっと脈診をしてくれるところに出逢えた、
と、喜んでくださる方もいらっしゃいます。


そんな脈診、

治療院選びのヒントにしてみてください。


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天ぷらといえば、和食の定番の一つ。

外出先でランチというときでも、
ハズレのないおかずですね。


えび・いか・白身などの魚介類と、
野菜では、いも・れんこん・たけのこなどに加え、
大葉が欠かせません。


大葉とはシソの葉のことで、
いまがまさに旬。


シソには食中毒の解毒にも用いられるほど、
防腐・制菌作用があります。


おにぎりに梅干を入れておけば
傷みにくいことは知られています。

梅干の赤さは赤シソの色なので、
ここにも昔ながらの知恵を見ることができます。


また、シソには精神を落ち着かせる働きもあるので、
五月病などからくる体のだるさにももってこいなのです。



漢字では「紫蘇」と書くように、
まさに蘇る薬草として知られていたようです。


漢方では「紫蘇葉(しそよう)」
または「蘇葉(そよう)」の名で、
理気(気の流れを整える)のために用いられます。

自律神経失調症で処方される「半夏厚朴湯」や、
うつや胃弱の「香蘇散」に配合されていることからも
その作用が理解できます。


日々の食事の中でも味噌汁に入れたり、
薬味として少量ずついただくことなどを続けておけば
風邪の予防や、アレルギー疾患の消炎作用も期待できます。


天ぷらで食べるときは、
油の消化を助けるために
大根おろしを忘れずに一緒にいただくようにしましょう。


シソには、α-リノレン酸や
赤ジソの色素であるシソニンなども含まれているので
抗酸化作用も期待できます。


治療のなかでは養生の基本として
「食・息・動・想」の話をしますが、
その「息」である呼吸法も、
ただやればいいというものではありません。


私たちは酸素がないと生きていくことはできませんが、
一方でその酸素が活性酸素となって
細胞や遺伝子を傷つけるなどのマイナス作用をもたらすことも
知っておく必要があります。

成長期の子どもの体では
活性酸素をブロックするといわれていましたが、
最近のアレルギー疾患の増加を見るとそうとはいえないようです。

ましてや加齢とともに
活性酸素の影響を受けやすくなってくる
という自覚も必要でしょう。


このように常食したいシソ、
実はベランダ菜園でも比較的簡単に育てやすいのです。

虫に強く病気も起こりにくいので、
菜園の初心者向きとも言われます。

よく育つのでシソの葉を購入せずとも
食生活に取り入れやすくなります。


実は私もプランターで育てていた時期があります。

まったく初めてというような人の場合では、
苗から育てるといいでしょう。

種は春まき品種なので、
5月頃には植えておきたいところですが、
苗ならば6月以降でもまだ間に合うかも。


少し手間をかけて自分の食生活を守る。

これからの生き方のヒントかも知れませんね。


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