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2018年4月アーカイブ


「何ヶ月も前から、スゴイ先生やから行ってみて、
 と友人から言われてたんですけどね...」

初診の際、そういわれる方があります。

なかなか踏ん切りのつかない気持ちもわかりますね。


病気というほどでもないんじゃないか、
と言って、誰に相談すれば良いかわからない、
どこに行けば良いのかもわからない。


スゴイ先生って言われても、
なにがスゴイのかもわからないし。


まだご本人のことであれば、まだいいんです。
我慢すればいいんだから。


だけども、子どもさんのことになると、違います。

子どもというのは、まだ言葉で上手く表現できません。
ちゃんと言いなさい、なんて叱るのはかわいそうなこと。


この辺りは、子どもさんと関わってきた経験がないと
見極めの難しいところかも知れませんね。


私自身、子を持つ親の立場として、
つらい思いをした過去がありますから、
その気持ちは痛いほどわかります。
だからこそ、躊躇しないでほしいなとも思うのです。


さて「"スゴイ"のポイント」というわけではありませんが、

日本小児はり学会認定はり師

という資格があります。


これは、子どもさんに鍼灸治療の施術をするうえで、
知識と技能を十分に持つ者に与えられる資格制度。

2018年3月現在、この認定を受けているのは、
日本全国で、6名のみ。

兵庫県では、私一人だけです。

アトピー性皮膚炎における小児はり治療」と題し、
2014年に学会発表し、評価されたことなども含めて、
認定を授けていただきました。


それに、続いて、
子どもの疾患で多いのは、スポーツ障害。

 
少年野球、少年サッカーなどのほか、
小学生でも様々なスポーツを本格的に始めるようになりました。


当然、ケガの機会も増えます。
問題はケガをして回復していくプロセス。

痛みはなくなっているのだけれど、
以前のようには走れない、投げられない。
実は、これは難しいポイント。


いわゆる「治療」では、
日常生活動作ができるようになるところまで、
その先の運動まではカバーしきません。
痛みがなくなれば、
どうやって運動に復帰していくかは、
治療家にもわからないケースも多いのです。


そこから先は「トレーナー」として
専門的に学んでいるものでないと、わからないところです。


私は、

日本陸上競技連盟トレーナー

として、陸連に登録されています。


ですから、日常生活動作の先、
競技復帰できるところまでサポートさせてもらっています。


付け加えて、

日本スポーツ協会公認スポーツ指導員

日本陸上競技連盟公認ジュニアコーチ

といった資格も有しています。


ですから、
なぜ、痛みが起こったのか、

そのためにやること、やっちゃいけないこと、

必要に応じて、運動指導までやっていますので、

痛む前よりも上手になった、というお子さんがいるのも事実です。


なにがスゴイのかわからないのであれば、
ここに来れば、子どものあらゆることが、
ワン・ストップで解決できる
と覚えておいていただければと思います。


これまでの経験上、
小学生であれば、乳幼児と同様の刺激のみよりも
成人と同様の経絡治療を取り入れることで
治療効果が上がることがわかってきました。


スポーツ疾患のほかにも、アレルギーなど、
大人と同様の疾患を抱えるお子さんが増えていることもあります。

きちんとジッとしていられるお子さんが多く、
脈診をできることも大きいですね。


だけど、時間もかかっています。


なので、今年の夏より、
小学生の鍼療料金を改定する予定としています。



最後に、私が憂えてること。
明石市は小児医療が無償化されており、
病院に行けば、診察も検査も投薬もしてくれても無料です。

どんなにたくさんクスリをもらっても、無料です。

市政としては恵まれているのでしょう。


ただし、きちんと治れば、です。


なかなか治らないばかりか、
小さな子どもの頃からクスリ漬けにされてしまわないか。

タダだからという理由だけで、
子どもの未来を制限してしまうことにならないか。


大人の事情と、子どもの疾患は、
分けて考えてほしいなと思います。


現実に、
おそらく初期の状態よりも悪化しているであろう
という状態から関わらせてもらうことも多いのです。


病気やケガをきっかけとして、
何にも頼らない体づくりをめざしませんか。


数千円、場合によっては数万円かかったとしても、
本当に子どものためになる選択をしてあげたい。


そう思えたとき、もうためらわうことはないのでしょうか。

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今年は例年よりも早くに、
お花見のシーズンが終わってしまいましたね。


和菓子や和食の世界では
桜の花を塩漬けにしたものを
桜餅やお菓子に混ぜてみたり、
料理の彩りとしてお皿にトッピングしたりと、
季節感を楽しむことも日本人の知恵といえるでしょう。


料理とは「理(り)」を「料(はか)る」
と書くように、

道理にかなう方法のことです。


特定の季節にしか収穫できないものを保存するために、
「塩」の力で腐敗を防ぐ。

顕微鏡などなく微生物の存在さえ知らなかった時代、
経験によって積み上げられてきた知恵には驚かされます。


日本伝統の塩漬けといえば、
漬物。


特にぬか漬けは、
米ぬかからビタミンB群が野菜に移るため
栄養価が高く、
発酵を支えている微生物が腸内環境も整えてくれます。

ところが、近年の減塩志向の流れの中で、
塩分を減らす代わりに
保存料や食品添加物まみれの調味液に浸けた
「漬け物」ならぬ「浸け物」が増えています。

これでは塩分の摂り過ぎ以上に
添加物の影響が危惧されます。

これらの添加物について心配なのは、
これまでに体内に蓄積してきた経験が乏しく、
また複数の化学物質が使われていることが
体にどう作用するか、
未知数なことです。


塩分の過剰摂取で心配なのは
体内の塩化ナトリウムの摂り過ぎですが、
「塩化ナトリウム」と「塩」は、
イコールではありません。


本来、「塩」は海水を汲み上げて作られるため
カリウム等のミネラル分を含んでおり、
このカリウムが塩化ナトリウムの排出を助けるのです。

また、塩分が増えると喉が渇き、
体は自然と水分を摂ってバランスを取ろうとします。


ミネラル分を含む自然塩を使うように心がけ、
体の声に耳を傾けていれば、
実は、塩分の摂り過ぎはさほど心配しなくて良いのです。


もっとも、汗をかいて塩分を排出する機会が少なくなったといった
生活の変化には気を付けなければいけませんが。


春は「発散」、

出す季節。


この季節、筍の天ぷらを食べて
顔に吹出物が出た経験のある人もいるかも知れません。


これは「勝手に出る」というより
「体が毒素を出す」反応で、
自然の力を借りたデトックスと考えればよいでしょう。

ただし、出す勢いが強すぎることはあるので、
揚げ物より煮物などの料理法でいただくのもいいでしょう。


菜の花、わらび、ぜんまい、ふきなど
春が旬の山菜をはじめ、
これからの季節の緑黄色野菜も、
きちんと料理していただくことで、
体内の毒素を排出する働きが期待できます。


漬物や味噌などの発酵食品と併せていただいて、
腸の中から整えていくようにするといいですね。


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