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糖質制限を疑え


最近は鍼療室で「お米をしっかりと食べることから...」と伝えても、
「でも...」と言い返されてしまうことが増えました。

糖尿病が心配なようですね。

それだけ、糖質制限という言葉が一人歩きしているようです。


現在、わが国の糖尿病患者の統計では740万人と推計されています。
また、糖尿病の可能性の否定できない、いわゆる「予備軍」も入れると2,200万人とも言われていて、
もはや立派な国民病になったといえそうです。

この10年でも500万人ほど増えていることになるのだとか。

1960年代初頭には糖尿病患者は約3万人といわれていましたので、
50年間に激増していることが分かります。

2000年以降の10年でも500万人ほど増えていることになるらしいです。


さて、いわばその「犯人扱い」されているお米についてですが、
お米の消費量は年々減り続けています。

これが、最近の50年間でちょうど半減しているのです。


糖尿病は増え続けていて、
その犯人とされるお米は減り続けている。

なんだか、おかしいと思いませんか?


本当にお米が犯人ならば、
お米の消費量が減ってきたら、
糖尿病も比例して減る、はずですよね?

ところが、実際には反比例しているのです。

お米を食べなくなったことで、糖尿病が増えた。
どう考えても、そのほうが辻褄が合います。


さらに、昨年1年間の統計では、
家庭での購入金額で、
お米はパンに抜かれてしまいました。

そのパンですが、どうやって食べますか?

バター(またはマーガリン)を塗る?
ジャムを塗る?

バターは、油脂。
ジャムは、ズバリ「糖」ですよね。

油脂と砂糖。
これは、戦後の日本人がよく摂るようになったものの代表格です。


砂糖も、お米や小麦などの炭水化物も「糖類」と総称されるので、
誤解を招きやすいのです。


糖類の中でも、分子構造から
砂糖や果糖、蜂蜜などは単糖類・二糖類、
炭水化物は多糖類に分類されます。

多糖類とは、その名の通り、分子構造が複雑なため、
消化・分解していく過程での血液中のブドウ糖の増え方、いわゆる血糖値上昇が緩やかです。
なので、インスリンという消化に必要なホルモンの必要量は少なくて済みます。


さらに、お米であれば玄米、
パンやパスタであれば、全粒粉のものにすれば、もっと少なくて済みます。

血糖値上昇カーブが緩やかになることから、
一時「低GI値食品」としてブームになりましたね。


いつの間にかブームは去り、
反動かのように糖質制限と言われて、お米離れが進んでしまいましたが。

 

ほかに戦後、増えたものとして、
肉類が、15倍、
牛乳・乳製品は、50倍も増加しています。

 

また、これらの増えた食品の多くは、輸入に頼っています。
食糧自給率の低下の要因ですね。


もともと、日本は豊かな風土と気候に恵まれていて、
お米を始めとして農産物を収穫するのに適していたのです。


主食であるお米をしっかりと食べて、野菜が中心のおかずをいただくということは、
自分や家族の健康のためだけでなく、
祖先から受け継いだものに感謝して、
子孫に遺していくことにもなるのです。


いま一度、身の回りに当たり前にある真実を、見つめなおしてみましょう。


 

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