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2014年12月アーカイブ


年内の鍼療について、12月29日(月)のご予約枠が溢れてしまいましたため、
30日(火)午前診の受付をさせていただくことにします。

なお、年始につきましては、
1月5日(月)朝より、平常通り鍼療させていただきます。



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暦では「冬至」。

一年中で最も日中が短く夜間の長い時季になります。

また、今年は「冬至」と「新月」が同じ日に重なっています。
19年ぶりとか。


東洋医学的にいえば、
冬至とは日の時間が短い日で、陰陽でいうところの最も陰性な日です。

また、新月は、一ヶ月のうちで最も暗い陰性な日。

食養生では、陰性な環境のもとでは陽性な作物が育つと考えられます。


この季節の慣用句として「冬至南瓜」があります。

冬至の頃のカボチャには秘めた力があるので、
この頃にいただくと体調を崩さないと言われてきたのです。

いまほど保存技術や流通網の発達してなかった時代、
冬になれば秋に収穫した野菜も終わって、食べられるものが限られてくるなか、
カボチャは保存できる上に栄養面にも優れているということがあったのでしょう。

現代栄養学の観点からも、
カボチャにはカロテンやビタミンB・C・E、食物繊維が豊富で、
生野菜の少なくなる季節の貴重なビタミン源。

カロテンは体内でビタミンAに変わり、
ビタミンC・Eと合わさって抗酸化作用により体の細胞の老化を防ぎます。

こうして風邪など季節の病に対する抵抗力を強めてくれるのです。

冬を健康に乗り切ることができれば、続く春から暑い夏までも元気に過ごしていくことができるでしょう。



話を陰陽の解釈に戻します。


秋に収穫したカボチャを、
天地をひっくり返して保存しておくことで求心力・収縮力という陽性な力が働き、
実が締まり不要な水分が減っていきます。

陰陽論を知らずとも
「カボチャは冬至を過ぎて年末年始になると、ベチャッとしてくるのよね」と、
経験上このことをよく知る人もいるかも知れませんね。

まさに生活術ならでは。

健康のため養生のためという意味では、
寒い陰性な季節だからこそ、より陽性で体を温めるものを摂ると良いですね。


根っこへ根っこへと伸びていく求心性の力が働く根菜類が、
冬に旬を迎えるのもこのためなのです。

自然には無駄なものはないのですね。


季節に感謝。


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寒い日が続きます。

師走を向かえて、
忘年会やら何やらと御馳走をいただく機会も増えますね。


旬の野菜も合わせていただきたいものです。

この季節、欠かせないのは大根。

大根のビタミンCは、風邪の予防にも最適です。


古くから「大根どきの医者いらず」との言い伝えがあります。

大根を収穫する時期になると、みんなが健康になると考えられていたのですね。


江戸時代の書物である『本朝食艦』には、

大根は「魚肉の毒、酒の毒、豆腐の毒をくだす」としるされています。


栄養分としては、消化酵素ジアスターゼ、ビタミンCが多く、消化吸収を助けるのです。

だから、お刺身の盛り合わせなどには、
大根のツマが必ずといっていいほどついています。

まさに昔ながらの智恵ですね。


さて、冬場に旬を迎える野菜の代表格である大根が一本あったとして
何通りの料理ができるでしょうか。


大根おろし、千切り、サラダ、刺身のツマのように生食ができますし、
ふろふき大根、おでん、鍋料理や味噌汁といった煮物にも最適。

切干大根のように干したり、そして漬物にしてと多様に使えます。

さらには大根葉にもビタミンAが含まれているので
抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぎます。

まさに捨てるところのない食材です。


美味しくいただけて、健康のためにもなる食材が季節とともにある。

それを飽きずに食べさせ続けられるだけの「食術」というのは
まさに先人の智恵。

本当の意味での無形文化遺産といえるでしょう。


大切にしていきたいですね。



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