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アレルギーの最近のブログ記事


9月24日(土)は、
一般社団法人日本小児はり学会、学術集会に参加してきました。

ちょうど2年前に大阪で学術集会が開催されたときには、
「小児アトピー治療における自宅でのケアについて」という演題にて、
アトピーや皮膚の湿疹、痒みで来院された乳幼児患者さんにさせていただいた治療と、
自宅でしてもらえるケア、食養生との組み合わせについて症例発表させていただく機会をいただきました。

その際の内容としては、
6カ月という期間で区切っての経過として、
72%の患児に治癒・改善がみられたこと、
ステロイド薬との併用の方が改善率が低かったことなどを発表させてもらいました。

あれから2年が経過し、
今回も同じような話を、大先輩方からもお聞きすることができました。

早ければ、4-5回目の治療あたりから改善傾向がみられること、
ただし完全治癒に至るまでには、
最低でも半年から、長ければ2年以上かかること。
脱ステロイドからでは、場合によってはもっと長期間を要すること。
そこまでの小児鍼治療の手技、治療の予後など。

大まか、そういった内容でしたが、
あらためてお聞きすることができて、
自分の行っている治療にも励みにもなりました。

大阪府堺市の佐藤小児科院長の佐藤美津子先生からは、
アトピーはステロイドを使わなくとも改善するということを、
はっきりと明言されたのも、大きいと思いました。


また、小児はり学会会長の井上悦子先生とも久しぶりにお会いすることができました。

鍼というのは、入れようとすれば拒まれ、
抜こうとすると入っていく、
という体験を共有できたり。

そこから、ラビング・プレゼンスにまで拡がったり。

Loving Presence。
直訳すれば、愛を持って共に存在するということ。
この人の存在としての素晴らしいところ、
輝いているところは何か?
との問いを持って人と接すること。
セラピーやマインドフルネスの世界でよく言われることですね。
そうすることで自分も相手も一緒に元気になることができる。
人と接して疲れるってのは、治療家としてはまだまだですよね、なんて。

ある意味、不思議ともとられかねないようなところまで話が及び、
とっても有意義な時間でした。


土曜日という、
たいていはご予約が埋まってしまう日を休診にさせていただきましたが、
その甲斐のある貴重な一日を過ごさせていただきました。

ありがとうございました。


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最近、アトピー性皮膚炎で来院される方が増えました。

とくにお子さんに多いのですが、成人されて以降も悩まれてきた方もいらっしゃいます。


お子さんのアトピーの場合、当然お母さんが連れてこられるのですが、
そのときの特徴が大きく二つに分かれます。

ひとつ目は、もともとお母さんが自然食や自然育児などに関心をお持ちで、
できることならクスリに頼らずに治してあげたいと思っておられるパターン。

もう一つは、病院に通ってきたけどなかなか良くならないから他の治療法を探して、
来られるパターン。

なかにはステロイドをずっと使ってきたけど良くならず、
「乳幼児にはこれ以上は強いものは出せないから」と小児科医から突き放されたという方もいらっしゃいます。


どちらの場合であっても、小児はり治療で施術する内容は同じです。

ただ、予後・通院回数や治癒するまでの期間に差は出てくるのは事実です。


ステロイドをはじめとしたクスリを否定するつもりはありません。

劇的に良くなって、そのまま治癒に向かう場合もありますし、
一旦はステロイドに頼って抑えておいてから、
脱ステロイドに向かう必要がある場合もあります。


そういったあたりについては、部分の専門家である皮膚科医よりも、
子どもの体全体の専門家である小児科医に診ていただくほうが、的確に見きわめられてもらえるようです。


いずれにしても、そこはまず主治医の先生とご相談していただいたうえで、
お母さまが決められることなので、こちらからステロイドを中止するように伝えることはありません。


しかし、知っておいて欲しいことがあります。

ステロイドのみならずクスリというものは、
必要に応じて使うものであって、使い続けるものではないということです。


ましてや年単位で使い続けていると、クスリから得られる治療効果のメリットよりも、
副作用のデメリットの方が大きくなってしまうのです。


その理由は「不自然」だから。


クスリ、いわゆる化学物質は自然界に存在するものでないか、もしくはその一部だけを抽出しているので、そのもの自体が不自然な物質であるということ。

また、何らかの原因があって症状として現れているものを、原因を無視して症状のみを抑えるということが不自然な行為であるということです。


アトピー性皮膚炎や湿疹の場合には、自宅でもお手当てをしてもらうことをお伝えすることもあります。

スキンケアとしては、椿油、オリーブ油、ごま油などの植物性の油を塗ってもらいます。

それは、口に入れるものだから安心だし自然だから。

効果は弱いかも知れないけど、悪くなることはほぼないです(絶対とは言い切れません)。


皮膚を乾燥から保護してあげるためのものですので、ステロイドのように湿疹を抑える作用はありません。

身体のもつ自然に治る力が働くまで、大切なお肌を守ってあげるのです。

 

クスリを使うなとは言わないけれど、
同時に原因を取り去ることは考えて欲しいと思います。


食事をはじめとした生活全般を自然なものに合わせていくということ。

無添加ものを選ぶということですね。


それから、衣服は大切です。

お子さんはもちろん、お母さんがフリース素材などの化学繊維ものを着ていると、発生した静電気でお子さんの柔らかい皮膚を刺激してしまうのです。

少なくとも素肌に直接触れる可能性のある部分は、綿などの自然素材にしてほしいですね。


どんなことでもいいから、まずは目についたところから替えていってみる。

その小さな一歩一歩の積み重ねから、やがて本質的なところが変わっていきます。


すべては、良くなっていくために。

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例年のことですが春が近づいてくると、乳幼児の新患さんが増えます。

夜泣き、癇虫(かんむし)、
そして湿疹...。

春になるとこれらの症状が子どもに出てくるのはどうしてでしょう。


東洋医学では、春は「生」。
草木が芽を出して成長していく季節です。

何もなかったところから、芽が吹き出てきて、
そして上へ上へと伸ばしていきますね。

自然界では「出す」ことと「上昇する」という向きの、
目には見えないエネルギーが働いてくるということ。

私たち人間も自然のなかで生かされていますから、その影響を受けます。


なので、皮膚から吹き出物(湿疹)が出るというのは自然な現象です。

何かが出てくるというのは、その内側に根っことなるものが蓄えられてきたということ。


主なものは老廃物。

乳幼児の場合では、胎児期の消化器官からの分泌物や母親から母体内で受けた脂肪分などの物質です。


昔、産婆さんが出産を手伝ってくれていた頃には、
生まれたての赤ちゃんからカニババといって黒っぽい緑色の胎便を出すように働きかけてくれていました。

いまでも助産院や自然出産を手がけておられるところでは名残があるようですし、
マクリ(カイニンソウ)などの「胎毒下し」を処方してくれる漢方薬局もあります。


当院に通ってこられるなかでも、途中のバスで乗り合わせた見ず知らずのお婆さんから、

「胎毒やね~」

「カニババ足りんかった(出し切れなかった)んやね~」

と、声をかけられたというお母さん方がいらっしゃいます。

昔の人は知っていたんですね。

 

現代医学では、脂漏性湿疹であったり、場合によってはアトピー性皮膚炎などの診断名のもとに塗り薬で抑えてしまおうとする傾向にありますが、ちょっと考えものです。

体は出す必要があって出しているのです。
いわば、デトックス。

こうした乳児湿疹が春に多いのは、
季節の芽吹きのエネルギーを借りて出しているからに他なりません。


「出ている」のではなく、「出している」。

この感覚は持っておいて欲しいかなとは思います。


病気ではないかと不安になり過ぎないようにすることも大切なことですね。


 

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