一年中で昼の時間が最も短く、夜が最も長いとき。
古くから冬至南瓜といって、冬至の日にはカボチャを食べる風習があります。
夏場に採れたカボチャを天地返しにしておくことで、
腐りにくく、水分が抜けて甘みが増し、栄養分も濃くなるのです。
「冬至南瓜は中風のまじない」といって、
カボチャは夏の収穫の頃から冬至の時期まで食べると健康にいいとされてきました。
中風とは、東洋医学では脳血管障害のことを指します。
風に中(あた)る、ということで、
体の中で風が起こる障害とされるのです。
顔面神経麻痺なども同じように考えられています。
近年では、拡大解釈されて、
風邪をひかない、しもやけにならない、など、寒さ対策に取り入れられるようになりました。
冬至とは、一年中でもっとも昼が短く夜が長い日なので、
この日を過ぎると逆転して、昼が長く夜が短くなってきます。
いわば「陰」の極みの日で、
この日を過ぎれば保存していたカボチャもべチャっとなってきて美味しくなくなる、
という意味もあるようです。
そうした陰の極みの日だからこそ、
きちんと入浴して体を温めようということで、
冬至に柚子湯も有名です。
冬至と湯治(とうじ)の語呂を合わせたとも言われますが、
柚子の果皮に含まれるビタミンCやクエン酸が血行を良くしてくれるだけでなく、
香りによるリラックス効果もあって、ゆっくりと湯船に浸かることができますね。
陰の極みとは、これから陽の気が増してくるということ。
実際には、最も寒い季節に入りますが、
しっかりと体調管理をしておくことが、春からの陽の季節に動けることにつながりますね。