寒い日が続きます。
師走を向かえて、
忘年会やら何やらと御馳走をいただく機会も増えますね。
旬の野菜も合わせていただきたいものです。
この季節、欠かせないのは大根。
大根のビタミンCは、風邪の予防にも最適です。
古くから「大根どきの医者いらず」との言い伝えがあります。
大根を収穫する時期になると、みんなが健康になると考えられていたのですね。
江戸時代の書物である『本朝食艦』には、
大根は「魚肉の毒、酒の毒、豆腐の毒をくだす」としるされています。
栄養分としては、消化酵素ジアスターゼ、ビタミンCが多く、消化吸収を助けるのです。
だから、お刺身の盛り合わせなどには、
大根のツマが必ずといっていいほどついています。
まさに昔ながらの智恵ですね。
さて、冬場に旬を迎える野菜の代表格である大根が一本あったとして
何通りの料理ができるでしょうか。
大根おろし、千切り、サラダ、刺身のツマのように生食ができますし、
ふろふき大根、おでん、鍋料理や味噌汁といった煮物にも最適。
切干大根のように干したり、そして漬物にしてと多様に使えます。
さらには大根葉にもビタミンAが含まれているので
抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぎます。
まさに捨てるところのない食材です。
美味しくいただけて、健康のためにもなる食材が季節とともにある。
それを飽きずに食べさせ続けられるだけの「食術」というのは
まさに先人の智恵。
本当の意味での無形文化遺産といえるでしょう。
大切にしていきたいですね。