マクロビオティックとは、料理法・健康法として広まってきましたね。
一人でも多くの人たちが知るということは、それはそれで有難いことです。
ただ、本当の意味でのマクロビオティックの真髄は、もっと大きなところにあります。
食を通して、日常生活の中で人間として磨かれていく道。
直感や判断力、本質を見抜く目を養う。
そんなところでしょうか。
人間を磨いていくということでは、
自己啓発的なものや、宗教的なものとも共通するところがあります。
ただし、それが「食」という日々の生活の中で積み上げていくという意味において、
より実践的であるともいえます。
毎日、欠かすことはできないわけですから。
そのことを理解するために「料理」のお話をしてみたいと思います。
料理とは「理(り)」を「料(はか)」る、ということ。
「理」とは、物事の真理や本質、宇宙の秩序。
「料る」とは、物事をうまくさばく、処理すること。
料理とは、宇宙の秩序に則ってさばいていくことなんですね。
マクロビオティックでは「一物全体」とか「身土不二」といって、
自然にあるがままに近い状態で、素材を料理していきます。
そして、欠かせないのは「火」を入れること。
いまの地球上において、
人類だけが「火」をコントロールすることができたのです。
他の動物でも「刃物」までは扱うことができた。
でも、「火」はコントロールできなかった。
その「火」をコントロールできたことに人類が発展してきた歴史がありますね。
昔から「火の要心」といって、
「火」を扱うには「心」が必要なのです。
「火の用心」と、ただ注意をするだけではないのです。
心ある火の扱いが肝心なんですね。
いま、心ない火の扱いに、日本国中が揺れています。
原子力発電ですね。
フクシマの例が物語るように、
心ない火の扱いだから、制御不能に陥るのです。
コントロールすることで文明を発展させた「火」に、
コントロールできないことで生命を脅かされる。
人間にとって「心」が大切だと教えてもらえますね。