自然は間違えることがありません。
たとえば、植物では、多くのものは、
春が来れば芽を出し、
夏には花を咲かせ、
秋には実をつけます。
私たちの体も、本来は間違えません。
異物が入ってくれば、排出しようとしますし、
病原菌であれば、発熱することで、菌を排除しようとします。
その、せっかくの発熱を下げようとしたり、
せっかく排出しようとしている下痢を止めてみたり、
自然現象からすれば、おかしなことをしてしまいます。
体は間違えない。
間違えるのは、いつも自分。
そういうことなのです。
もう少し言えば、
腸は騙されないけれど、
脳は騙される。
口に入るもので言えば、そういうことになります。
腸には、欲はありません。
脳には、欲があります。
きれいな色の食べ物に、食欲がそそられます。
「おいしそう~」
つい、そんな言葉が口をついて出てきます。
たとえ、それが化学合成の着色料のものであったとしても、
騙されてしまっています。
良い匂いがすれば、ツバを飲んでしまいます。
たとえ、人工的な香料によるものであっても...。
口に入れてみて、
「んまっ!」
と、にやけてしまいます。
たとえ、化学調味料の味であっても...。
おいしそうに見えれば、「食べたい」と思い、
食べてみて「美味しいっ」と感じれば、「もっと~」となります。
脳は、食品添加物が好きと言っても過言ではないかもしれません。
脳では、食欲という、欲にとらわれてしまって、
食べ物の安全性というものを判断できなくなってしまうのです。
ところが、腸は騙されません。
欲がないから、ただ、ひたすらに身体を守ろうと働いてくれます。
腸内に、食中毒を起こすような菌が入ってくれば、
すぐに下痢や嘔吐をして、菌を排除しようとしてくれます。
いわば、有害な菌への拒絶反応ですね。
こうした働きをしてくれるのは、
腸内細菌のおかげ。
だから、常に腸内細菌のバランスを整えておく必要があります。
ところが、腸は食品添加物が大嫌い。
なぜならば、食品の鮮度保持に用いられる殺菌剤をはじめとした添加物は、
ありとあらゆる菌に対して有効なため、
腸内細菌も、やられてしまうのです。
風邪をひきやすい。
感染症にかかりやすい。
アレルギーの症状がひどくなる。
そんな人は、免疫力が落ちているということ。
腸内細菌のバランスが崩れているというシグナルかも知れません。
少し意識して、食品添加物を避けてみる。
食品の表示をチェックしてみて、聞いたこともないようなカタカナ物質を避ける。
日々の生活の、そんなちょっとした習慣が、
生活習慣を見直し、
自分の体を自分で守ることの、第一歩になるのです。