最近、アトピー性皮膚炎で来院される方が増えました。
とくにお子さんに多いのですが、成人されて以降も悩まれてきた方もいらっしゃいます。
お子さんのアトピーの場合、当然お母さんが連れてこられるのですが、
そのときの特徴が大きく二つに分かれます。
ひとつ目は、もともとお母さんが自然食や自然育児などに関心をお持ちで、
できることならクスリに頼らずに治してあげたいと思っておられるパターン。
もう一つは、病院に通ってきたけどなかなか良くならないから他の治療法を探して、
来られるパターン。
なかにはステロイドをずっと使ってきたけど良くならず、
「乳幼児にはこれ以上は強いものは出せないから」と小児科医から突き放されたという方もいらっしゃいます。
どちらの場合であっても、小児はり治療で施術する内容は同じです。
ただ、予後・通院回数や治癒するまでの期間に差は出てくるのは事実です。
ステロイドをはじめとしたクスリを否定するつもりはありません。
劇的に良くなって、そのまま治癒に向かう場合もありますし、
一旦はステロイドに頼って抑えておいてから、
脱ステロイドに向かう必要がある場合もあります。
そういったあたりについては、部分の専門家である皮膚科医よりも、
子どもの体全体の専門家である小児科医に診ていただくほうが、的確に見きわめられてもらえるようです。
いずれにしても、そこはまず主治医の先生とご相談していただいたうえで、
お母さまが決められることなので、こちらからステロイドを中止するように伝えることはありません。
しかし、知っておいて欲しいことがあります。
ステロイドのみならずクスリというものは、
必要に応じて使うものであって、使い続けるものではないということです。
ましてや年単位で使い続けていると、クスリから得られる治療効果のメリットよりも、
副作用のデメリットの方が大きくなってしまうのです。
その理由は「不自然」だから。
クスリ、いわゆる化学物質は自然界に存在するものでないか、もしくはその一部だけを抽出しているので、そのもの自体が不自然な物質であるということ。
また、何らかの原因があって症状として現れているものを、原因を無視して症状のみを抑えるということが不自然な行為であるということです。
アトピー性皮膚炎や湿疹の場合には、自宅でもお手当てをしてもらうことをお伝えすることもあります。
スキンケアとしては、椿油、オリーブ油、ごま油などの植物性の油を塗ってもらいます。
それは、口に入れるものだから安心だし自然だから。
効果は弱いかも知れないけど、悪くなることはほぼないです(絶対とは言い切れません)。
皮膚を乾燥から保護してあげるためのものですので、ステロイドのように湿疹を抑える作用はありません。
身体のもつ自然に治る力が働くまで、大切なお肌を守ってあげるのです。
クスリを使うなとは言わないけれど、
同時に原因を取り去ることは考えて欲しいと思います。
食事をはじめとした生活全般を自然なものに合わせていくということ。
無添加ものを選ぶということですね。
それから、衣服は大切です。
お子さんはもちろん、お母さんがフリース素材などの化学繊維ものを着ていると、発生した静電気でお子さんの柔らかい皮膚を刺激してしまうのです。
少なくとも素肌に直接触れる可能性のある部分は、綿などの自然素材にしてほしいですね。
どんなことでもいいから、まずは目についたところから替えていってみる。
その小さな一歩一歩の積み重ねから、やがて本質的なところが変わっていきます。
すべては、良くなっていくために。