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アトピー白熱会議


9月28日(土)、日本小児はり学会学術大会が大阪であり、

「小児アトピー治療における自宅でのケアについて」という題で症例発表をさせていただいてきました。


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これまでに多くのアトピー性皮膚炎やアレルギーをお持ちのお子さんの治療をさせていただいてきました。

そのなかでは、効果の早い子と、そうでない子がどうしても出てきてしまいます。

では、その差はどこからくるのか?
治療家としては、それをずっと考えてきました。

今回の症例発表にあたっては、
自分が携わってきた小児患者(患児)さんに想いを馳せながら、
今年の1月から6月までの半年間に「湿疹」を主訴として来院された12歳以下の患児をデータ化してみました。

特徴的であったのは、
ステロイドを使っている(使っていた)患児ほど、治癒する率が低かった、ということでした。


おおまかには、
・ステロイドを使い続けて改善が見られなかった患児
・ステロイドを使ったことがない患児
・ステロイドを止めて、はり治療を頼ってこられた患児
・ステロイドを続けながら、はり治療にも通っている患児
の順番で、治癒から改善が見られていったのです。

まず、使い続けて改善が見られなかったというのは、
ステロイドではまったく改善せず、どんどん強いクスリへと移行し、
最終的には、皮膚科医・小児科医から、
「子どもには、これ以上強いクスリは出せない」と言われ、
いわば、匙を投げられた状態。

この子たちが、最も治癒率が高かったのは、
行き場を失ったお母さん方が本当に熱心に自宅でもケアしてくれたからだと思います。
数ヶ月間、毎週毎週連れて来るだけでも大変やのに、
自宅でもケアし続けてくれたお母さま方には頭が下がります。


次に、ステロイドを使ったことがないというのは、
お母さま方が、すでに自然育児系のこととを学ばれた経験のある人が大半なので、治癒率が高いのは予想通りだったと言えます。

それでも、世間ではステロイドが常識とされてますから、
周囲や親戚から批判されたりとか、
乳幼児健診の際に
「治る治療法が存在するのに、それをしないのは親として虐待にあたる」
などと脅された人もいたりして、
本当に、誰にも言えないような辛い思いをされたお母さまもいらっしゃいました。


そして何よりも正直驚いたのは、ステロイドとの併用では治りにくかったということです。
半年間で改善が見られたのは40%に過ぎませんでした。
お子さんの酷い湿疹と痒みの姿を見ていると、とりあえず抑えてからじっくり鍼治療をと考えたこともあるのですが、
結局はそれでは治癒しにくいという結果が出ました。

もちろん、一治療院だけでのデータに過ぎません。
なので、これが絶対に正しいと言うつもりはありません。

ただ、こういうこともあるよ、と参考になれば幸いです。


学会という公の場で発表したデータであるので、
ここでも載せることにしました。


また、学術大会において基調講演をしてくださった小児科の先生から、
「ステロイドを使えば使うほど治りにくくなる」ことについてご賛同いただきました。

現実に、脱ステロイドに真剣に取り組み結果を出しておられる小児科のお医者さんがいらっしゃることに、こちらとしても勇気をいただいた一日でした。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。



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