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ジャガイモの使い勝手


ポテトチップスに代表されるジャガイモ加工品、
春に販売休止が拡がっていましたが、秋になり落ち着いてきたようです。


この最大の理由は、北海道産のジャガイモが不作であったこと。

2016年は台風が北海道に観測史上初の3つも上陸し、
さらに昨夏の長雨・日照不足が原因だったようです。


2017年も台風の上陸はありましたが、
昨年ほどの影響はなかったようです。


国産がなければ輸入品をと考えそうなところですが、
実は生のジャガイモに関しては、自給率99%。

これは、土つきのものへの植物防疫法により
輸入が禁止されているためです。

また冷凍品や加工品であっても
遺伝子組み換えの表示義務があるため、
敬遠されたようですね。


ジャガイモは、実はイモ科ではなくナス科の作物。
真夏を除いた春から秋の時期に収穫できます。

これらのことから、陰陽論でいえば、
ジャガイモは身体を冷やす陰性作物と考えられます。


土の中で育つと言っても
根菜類のように身体を温める働きはありません。

栄養学的に考えてもカリウムが多く、
細胞を緩め血圧降下作用がありますので、
やはり陰性ですね。


西洋の料理でも肉や魚といった動物性のもののつけ合わせに適しているのもこのためです。


またジャガイモの特徴としてはビタミンB群や、
熱に弱いビタミンCが摂りやすいことがあります。

これはジャガイモのでんぷんが熱により糊化し、
ビタミンCを包み込むためで、
このことによりビタミンCのもつ解毒作用、細胞組織の再生促進作用が期待できることから
美容食・抗潰瘍食としても知られるようになりました。


漢方ではジャガイモは古くから
「健脾益気(胃腸を強くして、気力体力を増す)」
の効能があるとされてきました。


ジャガイモのこうした冷やす作用は、
実は使ってもよし。
炎症などの熱を鎮める働きがあります。


ジャガイモをおろした搾り汁に小麦粉を混ぜて湿布として使えます。

初期の打ち身や腫れ、関節炎や、やけどにも効果があります。


ジャガイモはたいていの家庭で常備されているので
使い勝手のいいお手当て材料になります。


当院では、患者さんから「捻挫した」と連絡があったようなときは、
まずジャガイモを擦り下ろしたものを数時間当てておいてもらってから来院してもらうようにしています。
初期の腫れのひいたところから治療できますので、
治癒までにかかる時間が速くなります。


アイルランドでは、リウマチや坐骨神経痛よけのおまじないとして、
ジャガイモをポケットに入れて持ち歩く習慣があったそうです。
関節炎・炎症から遠ざけるという意味では似ていますね。


民間療法はどこも同じなのでしょうか。


洋の東西を問わず、経験からくるお手当て、
知っておくことが大切ですね。


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