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ドーピングから自分を守る


スポーツ選手と関わっていると、
ドーピングに関しての質問を受けることもあります。

鍼灸治療とは直接的には関係ないことではあるのですが、
鍼療室でお伝えしていることなので、
ここでも何回かに分けてお伝えしておきますね。


ドーピングについては、
とくに、ジュニア世代の親御さんからは、

・なにをしたら違反になるのか

・違反したらどうなるのか

といった、質問をされるのですが、
それ以前に大事なこととして、

「自分の身は、自分で守れ」と伝えています。



とても残念なことではあるのですが、
年始の報道でショッキングなことがありました。

2017年のカヌー競技、日本スプリント選手権で、
日本代表候補の選手が、
ライバルの飲み物に禁止薬物であるステロイドを混入させ、
ドーピング検査で陽性反応が出るように工作したというのです。
 

スポーツ庁長官の鈴木大地氏は

「事実だとすれば大変遺憾なこと。
日本のスポーツ史上、聞いたことがない例で、がっかりしている」

とのコメントを発表されていましたね。
 

スポーツ選手としては、
自分の身は自分で守る、という意識をもつことがなによりも大切。
 

試合会場に行けば、周囲にいるのはライバル。
自分を守れるのは自分しかいないということを認識しておく必要があります。
 

自分の身を守る術のひとつに、
口にする飲み物のことが挙げられます。

・どんなものであっても混入してしまう可能性は否定できないということ。

・カヌー競技で実際に起こってしまったこと。

・自分の身を守るためには、未開封のものを確認し、
 自分で開封する習慣をつけていくこと。

以上の3点は、忘れてはならないポイントになるでしょう。



元陸上選手でオリンピックにも3度出場した
為末大さんは、

「ペットボトルの飲み物は1回自分の手から離れると飲みませんでした。
常に新しいものを開けて、1度飲んだものは大半が残っていても口にしなかった」

と言われていました。


世界陸上なんかで、インタビューの際に
"カチッ"という、ペットボトルの開封音をマイクが拾っていることがありますね。

あれは、未開封のボトルを自分が開封したというサインです。

 

さて、ドーピング検査で陽性反応が出てしまうと、処分は免れません。

意義を申し立てても、
2つある検体の両方に陽性と出てしまえば、
反論の余地なしとみなされてしまいます。


今回のカヌー競技の例では、
混入させた側の選手が、良心の呵責に耐えかねて告白し、
すべてが明るみになりましたが、
沈黙を貫いていたらと考えるとゾッとします。
 

ちなみに、今回の混入させた選手は、
8年間の資格停止処分を受けることとなりました。
 

停止期間中は、
試合に出られないというだけではありません。

所属するチームとともに活動ができないので、
練習場を使用することもできないし、
プレイはしないコーチ的な立場でチームに関わることもできません。
 

今回のケースでは、
被害者となった選手が、一時的にとはいえ、
そのような状況に身を置かざるを得ませんでした。


ドーピングの基礎知識として、なによりも大切なこと。
 

それは、自分の身は自分で守るということです。
 

日頃から、未開封のペットボトルを開けるときの手の感覚を大事にし、

実際には、もしも違和感を覚えれば、
口をつけないという習慣を身につけておくことです。




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