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ひな祭りと食文化


「和食」が評価されるポイントに、
「年中行事との密接な関わり」があります。

食と行事ごとを密接に結び付けてきた、
日本特有の文化があるのです。


なので、お祭りごと・行事ごとといったイベントは、
学びのための良いタイミングともいえます。


「ひな祭り」にも、
いくつもの意味が込められています。


ひな祭りのお飾りといえば、
ひな人形とひし餅。


ひし餅の緑・白・朱の3色の意味を解いてみます。

緑は植物、
健康な生命を養う自然への感謝の色。

白は清らかな色で、
人間を支える骨の色であり、
子どもの生命を育てる母乳の色。

ここから長寿や子孫繁栄の意味もあります。

朱は血液、
生命活動そのものの色。

また、春の新緑のおかげで、
紅白のおめでたい縁起物があるという
自然への感謝の心と見ることもできます。



ひな祭りの御馳走といえば、
ちらし寿司。

春の季節の精気が集約された旬の具材を活かしています。

鮨めしに酢を使うのは、
酢が血液を浄化する作用があるためとされてきました。

主成分である酢酸やクエン酸が
エネルギー代謝に働くのを先人は経験的に知っていたのですね。

ただし、酢は摂り過ぎには注意したい調味料でもあります。

「お酢のみ健康法」が流行ったことがありましたが、
日頃よほど肉食をしているような人でない限り、
過剰な摂取では身体が冷えてしまいます。


そして、ちらし寿司に添えて、
ハマグリのお吸い物が欠かせません。

二枚貝のハマグリの貝殻は、
元々の組み合わせ以外ではぴったりとかみ合わないため、

「将来、よい伴侶にめぐり合うように」

との願いが掛けられているのだとか。


貝類に多いタウリンが血中コレステロールを抑え肝機能に働くほか、
鉄分・カルシウム・亜鉛などのミネラルは

貧血予防にも効果が期待できるハマグリは女性の味方といえます。

なにかというと健康法が話題になる昨今ですが、
特別に何かを頑張る前に、
季節の移ろい、行事ごととの関わり、
まずは自然のなかで生かされていることを感じるというのも大切なことかも知れません。


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