2014年2月アーカイブ


例年のことですが春が近づいてくると、乳幼児の新患さんが増えます。

夜泣き、癇虫(かんむし)、
そして湿疹...。

春になるとこれらの症状が子どもに出てくるのはどうしてでしょう。


東洋医学では、春は「生」。
草木が芽を出して成長していく季節です。

何もなかったところから、芽が吹き出てきて、
そして上へ上へと伸ばしていきますね。

自然界では「出す」ことと「上昇する」という向きの、
目には見えないエネルギーが働いてくるということ。

私たち人間も自然のなかで生かされていますから、その影響を受けます。


なので、皮膚から吹き出物(湿疹)が出るというのは自然な現象です。

何かが出てくるというのは、その内側に根っことなるものが蓄えられてきたということ。


主なものは老廃物。

乳幼児の場合では、胎児期の消化器官からの分泌物や母親から母体内で受けた脂肪分などの物質です。


昔、産婆さんが出産を手伝ってくれていた頃には、
生まれたての赤ちゃんからカニババといって黒っぽい緑色の胎便を出すように働きかけてくれていました。

いまでも助産院や自然出産を手がけておられるところでは名残があるようですし、
マクリ(カイニンソウ)などの「胎毒下し」を処方してくれる漢方薬局もあります。


当院に通ってこられるなかでも、途中のバスで乗り合わせた見ず知らずのお婆さんから、

「胎毒やね~」

「カニババ足りんかった(出し切れなかった)んやね~」

と、声をかけられたというお母さん方がいらっしゃいます。

昔の人は知っていたんですね。

 

現代医学では、脂漏性湿疹であったり、場合によってはアトピー性皮膚炎などの診断名のもとに塗り薬で抑えてしまおうとする傾向にありますが、ちょっと考えものです。

体は出す必要があって出しているのです。
いわば、デトックス。

こうした乳児湿疹が春に多いのは、
季節の芽吹きのエネルギーを借りて出しているからに他なりません。


「出ている」のではなく、「出している」。

この感覚は持っておいて欲しいかなとは思います。


病気ではないかと不安になり過ぎないようにすることも大切なことですね。


 

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自然であるということは、とても大切です。


私たちには「自然治癒力」という自然の力が備わっていて、常に身体を守ろうと働いてくれています。

東洋医学は、この自然治癒力を最大限に発揮させるために身体に働きかけるのです。


例えば、初期の風邪症状で来院された場合は治療後に、
「今晩から熱が上がるかも知れないから、外出は控えてね」と伝えて終わることもあります。

熱を出すことは自然な現象であって、体にとってはその必要があることだから。


寒いところに行けば、体は震えることで運動し熱を産み出そうとします。

菌やウィルスなど体にとって有害なものが入れば、出そうとする力が働きます。
その結果、下痢をしたり、嘔吐したりという症状が出てくるのです。


このように現れてくる症状には、体を調整しようとする働きがある場合も多いのです。

そこで症状を止めてしまうことは不自然なのです。


以前こんなことがありました。

ずっとクスリを使ってきたけど良くならない。
ならば東洋医学の出番かもということで来院されました。

何回か継続して治療をしてきましたが、なかなか改善が見られません。

あるとき、とても忙しくて病院にクスリをもらいに行けなくてクスリが切れてしまったそうです。

でもその週の土曜日に鍼灸を受けには来られました。

すると、なんと週明けにはまったく症状がなくなったのです。

それから数回は鍼灸だけ続け、症状が出てこないことを確認し、「卒業」していかれました。

以後も症状は出ていないそうです。


もしかすると、鍼灸治療で身体に自然になるように働きかけていたことと、
クスリで抑え込もうとして不自然に働きかけていたこととが、
お互いに打ち消しあっていたのかも知れません。

本当のことはわかりません。

だけど、同様の患者さんはこれまでに何人もいらっしゃいます。


アトピーとステロイドでもあったし、
(ちょっと辛かったかもですが...)

頭痛と鎮痛剤ロ○○ニンでもあったし、
(それって飲んでも痛みは止まってなかったってこと?)

便秘と便秘薬でもあったし、
(こんなところでも反作用ってあるのかと驚きでした)

腰痛と湿布薬でもあったし、
(だから「温めて」って言ったのに...)

これらはすべて事実です。

 

自然は間違えることはありません。

植物は季節に合わせて成長します。

秋になったら葉をたたみ、
春になれば芽を出して、
夏には花を咲かせます。


私たちの身体の自然治癒力も間違えません。

出てきた症状を解釈する、私たちの判断が間違えるのかも知れません。

 

 

 

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立春
( 2/4 - 2/18 )

 

暦では春に入ります。

一度は暖かくなりかけた気候ですが、また寒くなりそうですね。

実質的には最も寒い季節です。


東洋医学では「陰極まって、陽生ず」という考えがあります。
最も寒いからこそ、ここが底となってこの後は暖かさが出てきますよ、ということ。


この季節は「出る」ということが特徴。

春の訪れとともに、野草は芽を出し、
筍は地中で溜めていたエネルギーを土を破って外へと出てきます。


私たちの身体というのも自然の影響を受けているので、
体の中に溜まったものを出そうと働きだします。

皮膚表面から湿疹などが出てくるのは、いわば体の中に良くないものが溜まっているサインとして受け留めることが大切です。

根本的な原因としては、食べ過ぎや運動不足によって、またはストレスなど、必要以上のものを溜め込んできたことの結果。

まずは、そういったことを振り返ってみる必要があります。

 


出ているのではなく、出してくれている。

そう考えて、春の野草の力を借りて出し切ってしまうことも考えてみるといいでしょう。


そこに目を向けずに、塗り薬などに頼って、
出しているものを闇雲に止めようとするのは、体にとって不自然なこと。


もちろん、クスリを上手に使うことは必要な場合もありますが、
頼りきってしまうのは考えものです。

 


四季を「春夏秋冬」というように、季節の巡りが春からであることを考えれば、
ここからが一年の始まりでもあります。

 

1月のスタートに出遅れたと感じているなら、
いい意味での仕切り直しにすればいいでしょう。


 

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