2015年2月アーカイブ

手前味噌の正体


日本人の味噌汁離れが指摘されています。

食生活の欧米化に、
行き過ぎた減塩志向も合わさっているのでしょう。


「体に一番良い食べ物はなんですか?」との質問を受け、

「味噌汁は飲んでる?」とお答えすると、

「でも、塩分が心配だから...」と返ってくることが多くなりました。


塩分は悪くありません。

確かに、摂り過ぎると心配なことはあるかも知れませんが、
それは、どんな食べ物でも同じこと。


現代の日本の生活で考えれば、
塩分を摂り過ぎる心配よりも、

運動し汗をかいたりして、出さないことのほうが心配ですね。


もう一つ、大切なことは、

味噌汁はただの塩水ではないということ。


季節の野菜も同時に摂れる味噌汁は、大切な栄養源なのです。


ある調査(※)では、
一日の栄養摂取量のうち、
カルシウム・鉄分の25%、
タンパク質・ビタミンAの15%もが
年間平均すると、一日に一杯から二杯の味噌汁から
摂られていたことがわかっています。


ほかにもビタミンBやカリウム・マグネシウムなどのミネラルも含まれることも考えれば、
これだけの栄養を味噌汁以外のものから補おうとすると、
現実的には難しいのではないでしょうか。


また、味噌は発酵食品ですから、
整腸作用があります。

伝統製法でつくられた味噌を使った味噌汁をいただくことは、
お通じとお肌にも良いのです。


味噌を使った慣用句に「手前味噌」という言葉があります。

「自分の家でつくった味噌ほど美味いものはない」
と自慢しあったことから、
自画自賛の意味で使われますね。


この「手前味噌」とは、
それぞれの地域ごと、家庭ごとの個性として味がちがうことに由来しています。

地域ごととは、気候によって必要な塩分が異なること。

家庭ごととは、それぞれの家庭によって仕事の労働量、
汗をかく量が違っていたので、
補給に必要な塩分の量もそれに合わせて違っていたということです。


それに合わせて仕込む味噌は、
各家庭によって出来上がりにも微妙に塩分の量が違っていたようです。

そんな「手前味噌」だからこそ、
誰にとっても自分の体がもっとも求めていたものといえます。


現代は「減塩、減塩」と、
やたらと塩分の摂取を遠ざける傾向にありますが、


体を動かすこと、
汗をかくことに意識を向けてみることも必要なのですね。


 

※参照:『伝統食の復権』島田彰夫・著 


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暦の上では春に入ります。

実質的には最も寒い季節ですね。
寒さも底となって、この後は暖かくなりますよ、ということです。


東洋医学では、春は「発散」の季節。

発散・拡散していくことなので、
「出る」「上昇する」ということが特徴です。

春の訪れとともに、草木は芽を出し、
地中で溜めていたエネルギーを土を破って外へと出てきます。


私たちの身体も自然の影響を受けているので、
体の中に溜まったものを出そうと働きだします。


この季節に湿疹などが出てくるのは、
いわば体の中に良くないものが溜まっているサインとして受け留めることが大切です。

いわば、自然のチカラを借りた「デトックス」作用なのです。


根本的な原因は、食べ過ぎや運動不足、ストレスなど、
必要以上のものを溜め込んできたことの結果。


安易にクスリに頼るのではなく
まずは、そういったことを振り返ってみる必要があるのです。


出ているのではなく、出してくれている。

そう考えてみるといいかも知れません。


四季を「春夏秋冬」というように、
季節の巡りは春から始まります。

新年のスタートを、
いい意味で仕切り直してみるのもいいでしょう。


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今日は「節分」です。

季節が冬から春に変わる「立春」の前日で、
「節替わり」とも呼ばれるように季節の分かれ目の日です。


節分といえば、「福は内、鬼は外」の豆まき。

健康と繁栄の「福」を呼び込み、
病気や心配ごと、災いといった「鬼」を追い払う習慣で、
室町時代に始まったといわれています。


豆をまくのは、マメは「魔滅(まめ)」に通じるから。

「魔」を「滅」す。

邪気を祓うということですね。

丈夫で健康な身体になることから転じて「よく働くこと」の意味になったようです。


季節の変わり目には体調を整えておくということから、
栄養の豊富な大豆の大切さを伝えるための行事でもあります。

大豆にはタンパク質・レシチン・イソフラボン・ビタミン・ミネラルが含まれていて、
身体が丈夫になるというのもうなずけますから、
節分のみならずいただきたいものです。


大豆を使った伝統食品で、冬の季節におすすめなのは、味噌。

 一杯の味噌汁は体を温めてくれるだけでなく、
伝統製法でつくられた味噌には乳酸菌などの生きた微生物が存在しているので、
腸内の腐敗菌や有害物質を排出し、体のなかに溜まった毒素を流して
腸内環境を整えてくれるのです。

味噌汁を常食すれば、免疫力が上がり病気を遠ざけることから
「味噌汁の医者殺し」との言い伝えもあります。


まさに魔を滅すチカラがあるようです。


近年、味噌には肥満や生活習慣病の予防に効果があることが認められ、
欧米でも「ミソ・スープ」は大人気とか。


伝統行事とともに、伝統食品の良さも見直していきたいものですね。



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